夜明けを失ったその日 ページ1
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それは、一体何の間違いだと目を疑った。
縺れそうな足を必死な動かして前に進んでいく。木々が月明かりを隠してしまう夜の森はとても暗く、一メートル前も、足元すらはっきりと輪郭を捉えるのは難しい。それでも彼――ショッピと呼ばれる若い男性は止めたら死ぬという本能に抗うことなく必死に足を動かした。
息も絶え絶えで身体が疲れていると訴えてくるがそれに構っている暇などない。死ぬのだ。足を動かすことを止める、それはすなわちこの状況では死を意味しているのだ。誰に頼まれたって止めることなんてできない。それが例え、自分の身体の限界を迎えていたとしても。
時刻は零時を過ぎた頃。
ショッピは何かに追われていた。それが何か確認するより前に持ち前の反射神経を活かして走り出した。どこに行くことも出来ず人のいない森に入るしかなかったショッピは、しかしどうする事も出来ずにただ走り続けるしかなかった。
走って、走って、走り続けて。
身体の限界はとうの昔に超えていたが、それでも走り続けて、ついに足をもつらせて転んでしまう。勢いを殺せなかったショッピは正面から地面に倒れ込み、限界を超えた身体は言うことを聞かずに立ち上がることすらできない。
身体を何とか回転させ自分をずっと追っている正体を目にする。
それは暗闇の中ではっきりと見えている訳では無いが、どうにも人の形をしているように見える。しかし、所々水膨れのように腫れ上がっており、歩く度にぴちゃり、と水の音がする。この場に水場は存在しないはずなのに、それでも一歩一歩足が地面と触れる度にその音は静かな森に響いて反響する。
――普通の人ではないことは確かだった。
顔は完全に膨れ上がっておりあるはずのパーツは潰れていて見えないが、恐らく、口であろうものがニタリと嫌な笑顔を浮かべた。
恐怖で声すら出ない。口の中が乾燥して、まるで首を絞められているように呼吸をすることが出来ない。過呼吸のように短くハッ、ハッ、と声を漏らすだけで、その実息を吐き出しているわけではなかった。
死んでしまう。そう思った。
その現実を覆すことなんて起きないと、頭のどこかでわかっていた。助けなんて来ないのだと。そもそも、助けを求めることが出来なかったのだ、来てくれるような人物も――ひとりを除いて、いないことなんて。その人だって今どこで何をしているのか知らされていないのだから、可能性なんてゼロに等しかった。
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うみ - 表現の仕方とか大好きです！ついつい読むのに熱中しちゃいます。これからも頑張ってください！！ (2019年10月27日 0時) (
レス) id: c63ddd2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。皆さんの能力設定好きです。陰ながら応援しておりますので無理をせず更新していって下さい。コメント、評価に関してはとても同感です^^ (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ@最近某戦争屋さんにハマった(プロフ) - コメント失礼します！、私は正直語彙力のなさから上手くは言えないのですが、評価やコメントを欲しいって思ってもいいと思います！、褒めて伸ばすって言葉もあるくらいですから！、もしかしたらこの作品をあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、私は大好きです！ (2019年10月16日 7時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます。頑張って設定を考えたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。慣れない書き方をしているのでおかしいところだらけですが.......。能力も今後明らかにしていきますのでお楽しみください。ありがとうございます。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。彼が主人公に選ばれた理由は単純にツイッターアンケートと作者の書きやすさからですが楽しんでいただいてるようで何よりです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2019年10月13日 0時
