chapter*3-2...君は僕を弱くする ページ16
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前回会った――というよりは出会ったときはお互いに私服だったからよかったけれど、今の私は制服姿。対する五条さんは私服。このまま誰かが通報でもしてくれないかな。それかたまたま通りかかった警察官に職務質問でもされてほしい。
引かれるままについていく。そっと彼の顔を見上げてみても、身長差がありすぎてよくわからない。彼の顔が見える前に太陽が眩しくてすぐに逸らしてしまった。
「というか、五条さんなんで私がこの道を通るって知ってるんですか」
「ん〜、まあ、僕だからね」
「おまわりさーん」
「ちょっとやめてよ! 君の一言で僕は捕まるんだよ? わかってる?」
「わかっててやってるに決まってるじゃないですかぁやだなぁ」
「……性格わっるい」
「ありがとうございます」
背の高い顔のいい大人が焦っているのを見るのは少しだけ楽しい。いつもはこっちが焦らされてたんだから、たまにはいいよね。
でも、まあ。
「私に予定がなくてよかったですね」
「それも知ってたんだけどね」
……やっぱり通報しようかな。
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希乃夏(プロフ) - pixivでも見させて頂いていたものです!!占いツクールでも公開してくださりありがとうございます!!更新頑張って下さい!! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 1e5270c5a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仁篠。 | 作成日時:2021年3月22日 11時