呪術師辞めろと言われたら死んだ。【五条悟】 (ページ12)

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chapter*2-5...初恋の再来ページ12

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「お前はさ、僕が一目惚れしたって言ったら信じる？」
「……は？」

　何を言ってるんですか、とは言えなかった。タイミング悪く商品を提供しに来た店員の「お待たせしましたー！」が遮る。

　テーブルにパンケーキやら甘いものが複数と、珈琲と、メロンソーダが置かれて、「ごゆっくりどうぞ」とにこやかに店員は去っていった。テーブルに並ぶのは明らかに二人で食べる量じゃないけど、これ全部この人が頼んでるし。流石に食べれませんはないでしょうね。

　どーぞ、と渡されたのは、フルーツをふんだんに使われたフルーツタルトだった。そして、珈琲も同じように私に向けて渡される。

「ブラックで良い？」
「良いですけど」

　さっきの言葉なんて無かったように言われて、戸惑いながらも答える。なんでブラック飲めるって知ってるんだろ。フルーツタルトも、なんで。……偶然？偶然にしてはピンポイントすぎる様な。いや、偶然という事にしておこう。知っていたなら、怖すぎる。

「で？」
「はい？」
「お前は、信じるの？信じないの？」

　中身をかき混ぜるようにストローをくるくると回しながら、じっと見つめてくる五条さん。口元は綺麗な三日月を形どっていてとても楽しそうだ。
　うーん、これ、答えなきゃダメなのかなぁ。
　勝手に頼まれた珈琲のカップに口をつけ、一口飲み込んだ。

「一目惚れ、でしたっけ？」
「そーそー」
「まあ、あるんじゃないですか？」
「随分とふわふわしてるねぇ」
「した事がないので」
「じゃあ、僕がきみに一目惚れをしたことは信じてくれるんだ」
「……否定する要素もないでしょ？」
「それもそうだ」

　確かにこんなに顔のいい男が私に一目惚れなんて考えられないけど、人の好みはそれぞれだし。特別整ってる顔をしているわけでもないから不思議ではあるけれど。スタイルだっていいわけじゃないし。
　そう考えるとどうしてこの人は私に話しかけたんだろう。揶揄うにしても他の人だって居ただろうに。

「嘘だと思ってるでしょ」
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