chapter*2-4...初恋の再来 ページ11
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名乗ってないのはこちらも同じだけど。
男はぽかん、と呆気に取られてから、また笑い出した。よく笑う人だ。そしてごめんねぇ、なんて紙よりも薄っぺらい謝罪を述べてから、名前を口にした。
「五条悟」
「ごじょうさとる」
「そ。それで? 君の名前は?」
「……本名ですか?」
「本名だよ?」
「そうですか……」
なんか、似合わないな。まだ英名とか言われた方が納得出来る。それほど、目の前の男は日本人離れした容姿を持っていた。
「で? 君の名前は教えてくれないの?」
「……誘拐犯に名乗る名前は無いです」
「誘拐犯!? 君そんなこと思ってたの!?」
「まあ、そうですね? 同意なしに初対面の相手を連れてくるなんてそれ以外にあります?」
「えー、だってさ、ここは僕一人で入るにはちょっと抵抗あるでしょ? だから一人でも女性がいたら良いなーって思って連れてきちゃった」
「はぁ……そうですか……」
あまりにも言葉が軽すぎて本当かどうかわからなすぎてため息が出た。本日三回目。でも相手は名乗ってくれたしな。本名かわからないけど。本人は本名だと言うけど、私にそれを確認する術はない。
目の前の男――五条悟と名乗った人は、私が名乗るのを心待ちにしている様子だった。だからなんで?
ここで本名を教えてもいいのだけど、悪用されそうで怖いな。へらへらへらへら笑ってるのを見ると詐欺師に見えてきた。誘拐犯で詐欺師なんて言い逃れ出来ないじゃん。
仕方ないな、と腹を括る。そして、小さな声で自分の名前を口にした。目をパチリ、と大きく瞬きをした男、五条さんは嬉しそうに顔を緩ませて私の名前を呼んだ。何度も何度も、噛み締めるように、私の下の名前を呟く。
ねえ、と今度は私に向けられた名前が呼ばれて、なんですか、と素っ気なく答えた。
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希乃夏(プロフ) - pixivでも見させて頂いていたものです!!占いツクールでも公開してくださりありがとうございます!!更新頑張って下さい!! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 1e5270c5a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仁篠。 | 作成日時:2021年3月22日 11時