枝垂れ桜の下で逢いましょう【地縛少年花子くん】 (ページ10)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:17,701 hit

玖ページ10

あまね？「A～！ぎゅー！！」

「きゃっ！もうあまねさんびっくりするではありませんか……あら？今日は学生服なのですね」

あまね？「せいかーい！！すごいねA、服のことに気付くなんて」

「もう慣れましたわ。目が見えなくなって沢山時が過ぎていますから……」

今日も、大きく変わりない平和な日々に安堵する。
あれからも時々源さんはいらっしゃって、お話を聞いた。なんでも京の陰陽師さん方が私を探しているとのこと。
両親が今も健在で、死んだはずの私を後継にと宣言していること。
源さんが探していた花子さんのこと。
先輩さんのこと、ご兄妹のこと。

あまねさんとの約束を守らないと……
ここまで分かったから覚悟はできました。

「あの、あまねさん。今日は大事なお話がー」

あまね？「ごめんねA。今から飛ぶよ？」

「えっ？？」

意を決して切り出したのですが、その言葉を遮ってあまねさんは私を抱えるとどこかへ飛ぶという。怖いのでぎゅっとあまねさんに抱きつく。
空中へ飛ぶのかと思っていましたが、少し違うようです何かを通っているような……でもどこへ？

あまね？「みーつけた！でも残念。Aが作った鶴が真っ二つだ～」

？「！！？」

あまね？「うっわ、その包丁なっつかしいー！ふーん、その子のことは守るんだ？俺のことは殺したくせに？Aを救えなかったくせに？」

？「っ」

どこかへは飛べたようだった。
けれど、な、何？何が起きているの？包丁？守る？殺した？救えなかった？？あまねさん一体何を言っていらっしゃるのですか？

あまね？「…久しぶり、俺のこと覚えてるよね？…普」

「えっ……？」

？「花子くん？と誰？」

あまね？「あはっ、びっくりしたー？俺には優秀な助手がいてね。ここまでくるの手伝って貰ったんだ…ねぇ、普。俺たちに会えてうれし？」

言葉がでません。状況を理解したくない……目が見えないのが怖いっ！私は、私は
いつのまにか床に下ろされていた私は、座り込んだままそこから動けない。

？「花子くん！」

近くで知らない女の子の声が聞こえ、バシャと水が何かを誰かにかけた音がした。

あまね？「へぇー君結構やるじゃん。ふふっA付き合わせてごめんネ…帰ろっか？」

「あ、あなたは」

あまね？「うん？やだなー俺は、正真正銘Aのアマネだよ？Aが死んで出会った後からの、ネ？」

「あっ、あぁっ！そんな…ごめんなさい。ごめんなさい。あまねさー」

ごめんな、さい。