幼馴染なはずだった【佐野万次郎】

15.変な意識 ページ16

『だから気をつけなさい！』



もう自分が何を言ってるのかさえよく分かっていない



マ「何に？」



『全部！じゃないと噛み付くからね！』




それをきっとマイキーもわかってる



だから深くは何も聞いてこなかった



『早く帰ろ』


マ「うん」



マイキーのバイクからヘルメットを取りだし勝手につける



マ「ちゃんと捕まってろよ」


『ん』


細し腰に腕を回して抱きしめる



マ「…」



バイクが進み出し風が吹く



それがこの火照ったからだには心地よかった



バイクだと一瞬ですぐに家まで着いてしまう



『ありがとう』



バイクを降りて家の門を開けようとすると呼び止められた




マ「まって。これ」



するとマイキーは自分が履いていた靴を脱いで私の前に出した



『え？いや、もう目の前家だし』



そう言ってもマイキーはいいから履いとけとそのまま隣へと消えていった



『調子狂う…』



そう言いながらも前に出された靴に足を通し家の門を開けた




次の日になりなんとなく気まずさもあったけどやっぱりお隣さんに行くことにした




『おはようございます〜』



恐る恐るそう言うとドタバタ誰かが走ってきた




エ「Aちゃん〜！！！最近あんま来てくんなかったから寂しかったよ！！！」


そう言ってエマに抱きつかれる



『ごめんねエマ』



頭を撫でてあげると猫のように擦り寄ってくるこの子は本当に可愛い



万「せっかく静かになったと思ったのにな！！来るならはよ万次郎起こしてこんか！」



『は〜い』


毎日行っていたお隣に少し行かなかっただけでこうも心配してくれる


万作のじぃちゃんもきつく言ってくるけど少し笑ってた




マイキーとの関係がどうだとかは考えず私はこれからもここに毎朝来ようと改めて思った





『マイキー起きてますかー？？』



久しぶりのマイキーの部屋に少し緊張する





忍び足でドアを開けて中に入るとそこにはありえない光景が待っていた




マ「あぁAか」



『え！？！起きてんの！？』


毎朝やっとの思いで起こしてるのに


『どうしたの？どっか具合でも』



具合でもわるい？そう言おうと思ったけど前のめりになりすぎてマイキーとの距離が近すぎることに今更気づいた



しかも昨日の今日だ



目が合うだけで思い出す



『いや、あの…』


マ「普通に話せよ…」



お互バツが悪そうに目を逸らす



エ「ちょっと2人とも！遅い！」


変に意識してしまうのはお互いのようです

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