【呪術廻戦】圧縮系呪術師 弐【男主】

# ページ31

＊



───グシャッ！！




『！！』


五「お！」


『でき…た？』


五「(やっぱりね。むしろ本来の使い方はこれが正しい。
他は呪力を変換して結界を構築す(つく)る浅葱の血を引いているからできた応用技ってとこかな)

できてる できてる！ やったじゃ〜ん」



まだ2回目のはずなのに不思議と馴染む【圧縮】。

それに今までの3つの使い方よりも呪力消費が少ないような…。



五「あとは前から言ってるけど、【再構築(リストア)】かな？

最近どうなの？」



こんな簡単に出来てしまっていいものなのかと自分のことながら半ば唖然としていると、話は移り変わっていた。



【再構築(リストア)】か…。


この術式はキューブになる前のものに戻すのはそう難しくない。

何故なら構成要素を理解して、全く同じものを復元するだけだからだ。



俺が目指しているのはその先……、





全く別の形に作り替える(再構築する)ことだ。


これが意外と難しい。

どうしても頭の中のイメージが元の形に引っ張られてしまうのだ。



五「Aは固定観念に囚われすぎなんじゃない？
例えば木を元に再構築するとして、じゃあ何が思い浮かぶ？」


『木だから…、武器なら木刀？
それ以外なら食器や家具なんかもあるよな』



俺が案をあげると、待ってました！とばかりに悟が話し出した。



五「そういうことだよ！
木じゃなくても、石や鉄でできた"別の何か"があってもいいじゃん。
それが使えるなら」



ハッとした。

再構築する上で足りなかったのは俺の想像力。





またしてもその辺にあるもので試す。


窓ガラスを一旦キューブにして、それを【再構築(リストア)】して───、





五「あら」


『……(汗ダラダラ』


五「…ちなみに何作ろうとしたの？」


『なんかガラスの置物みたいな…』


五「ぶひゃひゃひゃっ 唯の塊になっちゃったねー！」



クッソ〜！！

そりゃ何もかもは順調にいかないか。
にしても悟は笑いすぎ！！



五「でもまぁ、前よりは良くなってるんじゃない？

あれだね、再構築する物の幅を広げる為にも 実際に物を触ってみるのもいいかも」


『あぁ、確かに』



実際に手に取って細部まで観察出来たなら、それは想像しやすくなるだろう。




こうして俺は後日 知識の幅を広げる為に図書室に入り浸るようになり、高専の武器庫への出入りも自由になった。


＊

※御礼イラスト【主人公/秋冬制服var.フード無し】→←#19 ブレーキとアクセル

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