第52話「名探偵と吸血鬼」 ページ7
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☆星木雪野☆
＊＊＊
鉄道列車にて、三人の人物が座っていた。
ビー玉を眺める探偵風の青年、そして探偵社の新入り二人である。
「やっぱヨコハマの街並みは良えなぁ」
列車の窓から見える景色に目を奪われる蓮華。
その様子に隣に座る敦は微笑ましい気持ちになった。
「先刻まであんなに不機嫌だったのに」
「だって今回の事件、どう考えても私達いらないでしょう」
「莫迦だなあ。君達には僕を列車に乗せ、殺人現場に連れて行くという大事な役目があるじゃないか！」
「……」
ビー玉を眺めていた青年________乱歩は二人をビシッと指差して云った。
自他共に認める名探偵が列車の乗り方を知らないのは些か問題なのでは。
『でも，これは良い機会だ』
蓮華はマフィアの襲撃の時、乱歩に云われた台詞を思い出していた。
あの時あの場に居なかった彼が何故自分の正体を知って居たのか。
今回の事件で彼の動向を観察すれば何か判るかもしれない。
「そういえば蓮華ちゃん、太宰さんは？」
「知りませんあんな人」
「そ，そう………」
ぷいっと顔を背ける蓮華に、敦は思わず苦笑した。
＊＊＊
「遅いぞ探偵社！」
現場は列車を降りてすぐの河原だ。
其処には腕組みをした刑事が居た。
近くにも鑑識や他の警官が沢山いる。
「ん，きみ誰？安井さんは？」
「俺は箕浦。安井の後任だ。
本件はうちの課が仕切る。貴様ら探偵社は不要だ」
「莫迦だなあ。この世の難事件は須く名探偵の仕切りに決まってるだろう？」
刑事相手にも堂々としたその態度は寧ろ尊敬する。
だが今回殺されたのはその刑事の部下らしい。
若い警官がブルーシートを捲ると、其処には若い女性の遺体があった。
「………」
蓮華はその遺体に手を合わせる。
川の水の匂いで薄れてしまっているが，微かに血の匂いがした。
『これだから人間は』
自分が殺されかけたあの月夜を，今でも思い出せる。
きっとこの女性も痛くて怖かっただろう。
「今朝，川を流れている所を発見されました」
女性は胸部を銃で三発。殺害現場や時刻は不明。
弾丸も貫通しているため発見できていない。
特定の交際相手も居ないらしく，犯人の目星もない。
「えっ，それって………」
「それ，」
「「何も判ってないって云わない？／云いませんか？」」
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星木雪野(プロフ) - さくさくサックさん» コメントありがとうございます！乱歩さんですか………組合編の辺りに出せたら良いなと考えております！期待に添えられるよう頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年9月15日 21時) (
レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
さくさくサック(プロフ) - あ、主人公ちゃん乱歩さんの血を吸ってほしい…乱歩さんの＿＿ぐへへ〜!!!!(＾p＾三＾p＾) (2019年9月15日 13時) (レス) id: f14b80ed49 (このIDを非表示/違反報告)
星木雪野(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます！関西弁になる所は個人的にとても気に入っています！これからもよろしくお願いします！ (2019年8月14日 21時) (レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - これからも頑張ってください、応援してます！！ (2019年8月14日 19時) (レス) id: b1b20001d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 初めまして…！文スト好きで、良く小説を漁っているんですがはっきり言ってこの小説めっちゃすこです。特に夢主ちゃんの関西弁がすっっっごく可愛くて！！！個人的に関西弁好きなんですが、いつもは敬語なのに時折見せる関西弁が性癖にぶっ刺さりました…。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: b1b20001d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星木雪野 x他1人 | 作成日時：2019年8月3日 1時
