第18話「いくら何でも物騒すぎる」 ページ20
それは探偵社内の奥に居た。
「嫌だァ………もう嫌だ………」
物陰から覗くと、追い詰められたような顔をして震えている青年と人質と思われるセーラー服の少女が居た。
「ぜんぶお前等の所為だ……『武装探偵社』が悪いンだ!」
彼の左手にはスイッチのようなものが握られていた。
だがこの様子だと今にもスイッチを押してしまいそうだった。
「社長は何処だ、早く出せ!でないと_____」
青年はセーラー服の少女を掴んで叫んだ。
「爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
その様子に蓮華は思わず顔を歪めた。
「あちゃー」
「怨恨だ。犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ、と」
「復讐、という事ですか」
「まぁそういう事になるかな。
ウチは色んな処から恨み買うからねえ」
蓮華はもう一度物陰から覗いた。
人質の少女の横には爆弾と思われる物体があった。
「うん………あれ高性能爆薬だ。
この部屋くらいは吹き飛んじゃうね」
「爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど……
この状況じゃなぁ」
「どうする?」
僅かな沈黙が流れる。
社長を出したところで事態は解決しない。おそらく殺そうとするだろう。
しかも社長は出張中らしい。
「………人質をどうにかしないと」
太宰と国木田の視線が交わる。
異能力を使うのかと二人が期待した瞬間、
「え………」
まさかのじゃんけんをした。
数回のあいこにより、太宰が勝利した。
『……どんまい』
国木田はから悔しそうに拳を握りしめ、舌打ちしながら爆弾魔の元に向かう。
「おい、落ち着け少年」
「来るなッ!吹き飛ばすよ!」
爆弾魔がスイッチを突きつける。
国木田は刺激しないように手を挙げた。
「知ってるぞ、アンタは国木田だ!
アンタもあの嫌味な『能力』とやらを使うんだろ!?
妙な素振りしたら皆道連れだ!」
一同は爆弾魔の様子を観察する。
「……あれ、逆効果ですよね」
「まずいねこれは。探偵社に私怨を持つだけあって社員の顔と名前を調べてる」
「…」
「社員の私が行っても余計警戒されるだけか…
却説、どうしたものか」
その時、何故か太宰は敦と蓮華を見た。
暫くすると彼はにやぁと笑った。
「………敦さん。私凄く嫌な予感がします」
「………奇遇だね、僕もだよ……」
二人は思わず顔を痙攣らせた。
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星木雪野(プロフ) - ありがとうございます!気に入って貰えて嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年7月31日 21時) (レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
赤砂晋助(プロフ) - この話好きやけんこれからも頑張ってください! (2019年7月22日 9時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
星木雪野(プロフ) - 三輪さん» 実はそうなんです!バリバリの関西弁ではないのですが、気に入って貰えて何よりです!これからもよろしくお願いします! (2019年6月24日 15時) (レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
三輪 - 吸血鬼ネタ最高です……!蓮華ちゃんが可愛い。。それとつかぬ事をお伺いしますが、作者さまは関西圏出身なのですか?方言が刺さります! (2019年6月24日 15時) (レス) id: e6d66e6ea7 (このIDを非表示/違反報告)
星木雪野(プロフ) - ありがとうございます!!私も吸血鬼ネタが大好きで作りました!これからもよろしくお願いします! (2019年6月2日 23時) (レス) id: 9c0b08827d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星木雪野 x他1人 | 作成日時:2019年6月2日 17時