魚軍団の青色の奴は俺の彼女である

43話 ページ44

Aside


ピンポーン

聞き慣れた機械音が響き、心臓が少し跳ねる
モニターを確認する、うん
マサイだ

「はい、今開けたよ。入って」

マ『あーいよー』

行き来はすぐに出来るからマサイは薄着、寒そうだ


ガチャ

マ「こんばんはー、A…って、うぉ、寒っ！」

「こんばんは、ごめん、今帰ってきてつけたばっかりで…」

マサイをリビングに誘導し、温かいペットボトルのお茶を出す

マ「あ、ありがとう…そんで、どした？」

俺は笑みを浮かべ、マサイの腕を取りベランダへ向かう
あれ、窓開けてるから暖房意味無いな、消そう

マ「お、おい、A？」

「なに？マサイ」

マ「え、いや、ベランダ…？」

「あぁ、話ならすぐ終わる。





たった一言、言うだけ。マサイにも、一言答えてもらうだけ」

その言葉は自分に言い聞かせるように、少し強く放った

マ「そっか、変なの」

マサイは特に気にせず体を暖めるためかお茶を一口飲む
俺は星が瞬く寒空を見上げる

春になりかけの季節

相も変わらず桜の開花が楽しみだ




「マサイ、あのさ」


マ「うん？」


「俺、









マサイの事が好きだ」



マ「うん……えっ？」


「もっかい言おうか？俺は、マサイの事が好き。友達としてとか、そういうんじゃなくて、男として」


あぁ、終わったな

でも、よく頑張った。俺

ここまで長かった

六年越しに出会ってまた恋が芽吹くなんて、一途だな、俺も

思いを伝えられてよかった

「よければ、返事…聞きたいな…なんて、もうわかりきってるけどさ…あはは…」

後は、マサイのno返事を聞けば…



ばこんっ


マサイの手からお茶が入ったペットボトルが滑り落ちた

表情は見れない。暗くて判らない



マ「なぁ、A…」

「え……？」

マサイの声が震えている

マ「成人終えて久し振りにお互いに会ったあの日、お前どんな格好してたか覚えてる？」

あの日……確か…

マ「あの寒い中シャツにパンツ姿で部屋から出てきたんだよ、変な人だって思った」

「あ、あー…」

マ「でも、なんか心臓がうるさいの、顔が熱いの」

え……

マ「なんだろう、この感覚、ドキドキする感じ、六年振りに味わった」

「え…え……？」

マ「Aと出会った高校の時も修羅場みたいなヤバイ事件の時も、この感覚を味わった」

手が震える、目元が熱い

月明かりが、このベランダを照らし、俺達の顔が晒される


マ「A……俺も、









Aが好き」



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