魚軍団の青色の奴は俺の彼女である

42話〜今〜 ページ43

現在

Aside



今日は髪の毛先を美容院で少し切り揃えた
気になる夢
帰宅し、高校時代の卒業アルバムを開き、寄せ書きを確認する

シルク『アデュー！！』

ンダホ『また会おう！！』

モトキ『頑張って自分の道を突き進めー！』

ぺけたん『今度会ったらゲームしようや！』

ザカオ『サッカー上手くなれよ！アデュー！』

ダーマ『お疲れちゃん』







マサイ『俺のこと、忘れんなよ！』








自室、一人暖房もつけない寒い部屋でアルバムをめくる



フィッシャーズ



その“一人”になり、高校時代の夢を見た今日
俺は、結局体は強くなっても、心は何も変わってない


臆病で、弱くて、情けない

それに、ダーマに未だあの時の事を少しでも聞けていない


マサイに

関係を壊すのが怖くて想いを伝えることすらできていない


六年前からずっと、ずっと俺は未完成な気がして
時間も止まってて
大人になりきれていない






このまま都合よくフィッシャーズに入るなんて軽んじた行動をする前に、俺は俺の覚悟を決めなければいけない







――――――――――






仕事のための予定表や、メモ帳、鞄を段ボールに入れ、テープで蓋をした

カーテンを開け、ベランダに出てスマホの画面をLINEにし、マサイに一言メッセージを送った

『今から俺の家に来れる？』

返信はすぐにきた

『おう、よゆーよゆー』

それを確認すると、暖房をつけて、アルバムと段ボールをしまい、またメッセージを送った

『話したいことがある』









続く

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