No.38 ページ38
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『国内最難関の国立高校、雄英高校のヒーロー科一年では、ヒーローインターンが始まりました』
女性アナウンサーの心地よい声を耳にしながら、先日助けたヒーローの卵達を思い出した。
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『阿呆だな』
｢仰る通りでぐうの音も出ない｣
あの日、無理やり二人の雄英高校ヒーロー科の生徒を帰らせてから、十分時間を取って帰宅した。
万が一身バレした時を思って義爛に電話をかけてみたものの一回では繋がらず、結局夜にかけ直して出てくれた。
一通り今日の出来事を話し終えたAの耳に飛び込んできたのが、『阿呆だな』、である。
｢あの一件以降髪は黒く染めてたけど、目の色までは気にしてなかったんだよね。どうしよう｣
『まあ、さしもの雄英ヒーロー科でも、まさか白いワンピースに麦わら帽子の小学生が凶悪ヴィランだとは思わねえだろ』
自分で喋りながらフッと笑い声を漏らす義爛に、Aは殺意を抱いた。
｢笑うなよ｣
『いや笑うだろ。十五にもなって小学生と間違われてんだぞ。まあ、結果オーライだったけどな』
｢凄い訝しがられたけどね｣
何はともあれ、と電話越しの義爛はどこか楽しげだ。
『九月に入ったら再会できそうだぞ。良かったな』
｢まじ？そりゃあ良かった。そん時はよろしく｣
『ああ』
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｢ヒーローインターン･･････｣
アナウンサーが街を巡回しているヒーローと、そのサイドキックの様に後に続いている雄英の生徒にインタビューをしている。
職場体験の時にテレビに出ていたエンデヴァーの息子は、何故か出ていなかった。
鬱とした気持ちが湧き上がってきそうになって、テーブルに放置されていたリモコンを取りテレビを消した。パーカーのポケットからスマホを取り出し、今回の依頼を確認する。
復帰早々の依頼は暗殺。ターゲットは、今や伝説となったヒーロー殺し・ステインの狂信者だ。
最近やたらとこの手のヴィランが多いな、と辟易した。
大義を掲げた殺人は美化されやすい。今回のターゲットを殺した所で、きっと大義に殉じた男の最期に色んな人間が共感し、同じ犯罪が繰り返される。
依頼が来る分には嬉しいのだが。
｢ヒーロー殺すのはまずいだろ｣
最後に残された良心が、ステインの教義を否定する。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
