No.39 ページ39
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｢よし！それじゃあパトロール張り切っていきますか！｣
｢はい！｣
パンと両頬を叩いて気を引き締め、ヒーローの後に続いて事務所を出発した。
九月、ヒーローインターン。
上鳴を受け入れてくれたこの事務所は、主に電気系統の個性を持つヒーローが所属している。潜入捜査やヴィラン組織の一斉検挙の時に大活躍する為、名だたるヒーロー事務所の中でも特にチームアップ要請が多い。ヒーローオタクにとって、知る人ぞ知る古株の事務所なんだとか(by緑谷)
｢最近ステインの信奉者が増えただろう？その中でも厄介なのがこの街を拠点にヒーロー殺しをしてるんだ｣
人の多い表通りを歩いていると、にこやかに市民に手を振っていたヒーロー・テンライが話しかけてきた。そうなんすね、と相槌を打ちながら、でこぼこで仲のいい三人組を思い出す。
箝口令が敷かれたから土着のローカルヒーローなどには知られていないものの、ヒーロー殺し・ステインの逮捕に貢献したのは上鳴のクラスメートだ。最初それを知った時は衝撃を覚えたし、そのうちの一人の運の悪さにも苦笑いした記憶がある。
人と人との繋がりは、こうして巡り巡ってくる。バカには出来ない。
｢ヴィラン名はタカ。接触したヒーローは計十六人。うち五人が殉職している。俺達の事務所もこれ以上の被害を食い止めようとパトロールを強化しててね。チャージズマ君も気を付けるんだよ｣
｢うす！｣
タカ。随分と可愛い名前だ。呑気にもそう思った時だった。
ガコッ。表通りとは別の場所で、妙な音が聞こえてきた。
｢･･････今、変な音がしましたけど｣
｢ああ、そうだね。路地裏の方から聞こえてきた｣
テンライはにこやかな表情を絶やさずに、頷く。
｢僕は一旦路地裏の方を見てくる。何も無かったら戻ってくるから、チャージズマはこの通りの巡回を続けてくれ｣
｢了解！｣
テンライがそう言って、通りを横切る別の通りに消えていく。五月の職場体験では、上鳴を置いて別行動するなんてまずありえなかった。やはり職場体験の時とは違い、上鳴がサイドキックとして雇われているという事なのだろう。
今の自分は雄英高校の生徒ではない。
この街の平和を担うヒーローなのだ。
今のように、巡回だって馬鹿にならない。もし異変があれば、直ぐにテンライと連絡が取れるようにしよう。
上鳴が改めて気を引き締め直した、その時。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
