No.20 ページ20
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死柄木と共にいた緑谷を発見した麗日の通報によって、ショッピングモールは安全を考慮して一時的に閉鎖された。結果的に、死柄木と接触した緑谷は重要参考人として、警察署内で事情聴取を受ける次第となった。
｢ふむ･･････聞く限り、連中も一枚板じゃないみたいだな。オールマイト打倒も変わらずといったところかな。うん、よし。とりあえずありがとう、緑谷くん｣
死柄木との会話の内容を聞いた塚内刑事に、緑谷はふと、死柄木が自分の前から姿を消すまでのほんの僅かな間に起こった事を思い出した。
｢あの、塚内さん｣
｢まだ何かあったのか？｣
｢はい。あの、死柄木はずっと僕の首に四本指をかけて脅してたと言ったんですけど、最後、不思議な人が死柄木に話しかけて来たんです｣
｢不思議な人？｣
｢はい。死柄木は“死神”なんじゃないかって言ってたんですけど｣
｢死神だって･･････？｣
昼下がりの喧騒に紛れる程小さな声で、二人の会話はされていた。死柄木の真隣にいた緑谷ですら詳細は殆ど聞き取れなかった。中世の貴族がパーティーなどで周囲の人間に聞かれないよう小声で会話をし合っていたのと同じで、恐らく、そういった特殊な発声法があるのだろう。
｢でも、これだけはしっかり聞き取れました。死柄木が一人でぶつぶつ呟いた後、『お前、“死神”だな』って言ったんです。それでまた何か短く話した後に、会話をしていたと思われる人が立ち上がって、帰って行きました｣
塚内刑事はふんふんと頷きながら調書を書き上げていく。
｢その人の特徴は？｣
｢白の半袖パーカーに水色の長袖、黒いパンツに水色のヘッドホン。あ、あと、少し振り返ったのを見た時、丸い眼鏡をかけてました｣
｢容姿の特徴とかって覚えてる？｣
｢そうですね･･････。多分、150あるかないかくらいでした。細くて、女の子っぽかったです。髪は綺麗な白銀色で、目の色は･･････うーん、よく覚えてないです｣
｢いや、そこまで分かったら十分だ。捜査協力に感謝するよ｣
｢いえ｣
それにしても、と緑谷はほっそりとしたシルエットの少女を思い出す。死柄木が突然別の人間に話し始めたかと思うと、あれだけしっかり掴まれていた首をあっさりと離された。きっと、彼女が何か吹き込んだに違いない。
きっと彼女もヴィランなのだろう。
それでも、緑谷を救ってくれた。
命の恩人。
振り返って死柄木をジッと見つめていた瞳は、青白く輝いていた気がした。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
