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翌日、教室へ行けば織田くんが何ぞを準備していた。
七輪やろうか?よおわかれへんけど取り敢えず入口側の1番前に座って伏せる。
昨日の擽ったさのせいか、全然寝られなかったんや。

『おはよう織田くん』
「あぁ、おはよう」
『おやすみ』
「変なやつだな」

どれくらい経ったやろうか、煙くささとスルメの匂いに意識がちびっと浮上する。
大きな手で頭を撫でられる感覚、これどちらさん…?と思い顔をあげれば目の前に利家くんの顔が。

「おはよ、まつ」
『おはよ利家くん』
「寝られなんだのか?」
『寝られなかったんよ。おはよ毛利くん』
「うむ、おはよう」

そのまんま私の後ろに座る利家くん。その後ろには毛利くんが座った。
先程撫でてくれた手が優しくて、ちょびっとした期待を持って利家くんの机に伏せる。
すると壁を背に毛利くんと話していた利家くんは右手で撫で始めてくれた。
その優しい手にまたも眠りの世界へと誘われる。

「ま、まえまつ…!朝からありがとうございます…!」

なんてみやびちゃんが感動してたことは利家くんと毛利くんしか知らへん。
ふわふわと心地のええ眠りについていたと言うのに、何ぞが砕ける音に目が覚める。
びっくりした。ビクッてなりよったやん。

「よう寝とったな」
『利家くん、頭撫でるの上手いね。気持ちよお寝れた』
「よかった」
「おい、多分骨をやった」

淡々と話す織田くんと慌てるみやびちゃん。本多くんの浮かない顔を見るに、

『折れたのは本多くん、か』
「ん?なんか言うたか?」
『なあんも』

素直に織田くんに肩を貸し、保健室まで連れていく本多くん。
実は連れられておるのが本多くんとも知らずに、困惑した声を出す井伊くん達。
みやびちゃんが後を追い、学級委員になりよったことやらなんやら露知らず私はまた利家くんの手によって眠りの世界へ旅立つのやった。

「よう寝とるのぉ」
「俺の撫で方が気持ちいいらしい」
「顔が緩みきっとるぞ前田」
「可愛うてな」

2人がほんな会話をしておることも、私は知れへん。

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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時

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