1-5 ページ6
「武田ァ、お前上杉とサシで勝負して勝てなかったらしいじゃねぇか」
「川中島の戦いですね!!」
「しぃ〜!!」
今度は興奮したように川中島の戦い、と叫ぶみやびちゃんとそれを抑える豊臣くん。
なんだか変な図やなぁと見ながら、あんなに優しそうな上杉くんも喧嘩するんやなんて考えていればヒートアップする井伊くんと武田くん。
「さっきから気持ち良さそうにしゃべってるお前、名前なんてぇの?」
一触即発の空気の中、笑っておる人もいれば顔が強ばる人もおる。
ドア付近に立つ眼帯の人は冷静に判断をしておるようだし、織田くんは我関せずで扇子を扇いでいる。
井伊くんのそのズボンを広げるのは威嚇かなにかなのやろうか。
アリクイが腕を広げて威嚇しておるように見えるのは私だけなのかな。ちょびっとだけ可愛く見えてきた。
「お前ら何やってんだ!おい!下がれ、オラ!ブレーク!」
白のタンクトップに鎖をかけた人が止めに入る。まさかの担任の先生らしい。
肉山先生が一人一人名前を呼んでいく中、みやびちゃんはやはりぶつぶつと呟いておる。
ほんなみやびちゃんを見る私をにこにこと見ておる豊臣くんは何がしたいのか。
「あの…」
「え、告んの?答えはOK」
「ではございません、皆様どうしてこのように一触即発の空気なんでしょうか?」
「そらぁ、総長になるためやろ」
『銀杏高校を束ねてるのが三年の総長って言われてる人で、旗印戦で勝ち上がればその総長と戦えるってわけやね』
なんだか思案顔のみやびちゃんと、にこにこする豊臣くん。
温度差がてえもねえ2人を眺めていれば今日は終わっていた。
「まつ、一緒に帰らんか?」
『ん、帰る』
みやびちゃんと一緒に帰ろうとしたら、今日は予定があったらしくバイバイ。
大人しく1人で帰ろうとしたところ、前田くんからお誘いがあったので一緒に帰ることに。
『あれ、毛利くんは?』
「毛利は今日予定あるみたいで先帰った」
前田くんは面白い。それに、身長が高い分歩幅も違うやろうに私に合わせて歩いてくれる優しい人。
普通にかっこいいよなぁ。
「秀吉と仲良いがけ?」
『豊臣くん?どうして?』
「よう話しとるし、抱きつかれとったりしとったさかい」
『あれは豊臣くんが勝手にしてきただけ、みやびちゃんがすぐ助けてくれたし。今日仲良くなりよった人で言えば、前田くんの方が仲良しだよ』
「ほうか…なぁ、俺のこと名前で呼んでや」
『利家くん?』
「おう」
なんだか胸がぽかぽか擽ったい。
203人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時