中央の国の法律ボーイ ２章【魔法使いの約束】

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「あれ？テミス、また大きくなった？昔よりも大きい気がするな」

「…貴方の目が節穴なだけでしょう？」

「言ってなよ。クソガキ」


ただフィガロを睨みつけているテミスとただ笑って穏やかな物言いのフィガロ

二人の空気はヒースクリフやシノとは全く違った険悪さが滲み出ている


「それにしても感動の再会のはずなのに、その言い方はないだろ？」

「俺はお前にﾞ世界ﾞを教えてやった恩人なのに。」

「…貴方は私を置いて行ったくせに。」


恨み言である

憎々しげにフィガロを睨むテミスを見て「話にならないな」と肩を竦めた

長年の溝もたった短時間で修復できるほど甘くはない


「なんで、こんなにも可愛げが無くなったのかな。」

「あの頃はすごーく可愛かったのに。」

「それは子供の時でしょう？私はもう子供じゃない。」

「俺からしたら、子供だよ。お前は」


これ以上返す言葉も見つからない

テミスは眉間に皺を寄せたままフィガロを睨みつけている


「そういえば、この後アーサーと賢者様と一緒にオズを説得しに行くんだろ？」

「ここで道草食っていいのか？」

「…そうですね。では…」


踵を返し、歩き出したテミスを見届けたあとフィガロはやれやれと肩を落とす

やはり、あの態度をとられるのは重々承知だ

アーサーとそっくりな顔であの態度でいられると温度差で風邪を引いてしまいそうだ

フィガロはそんなことを一ミリも考えても無い笑みを浮かべながら、踵を返し歩き出した

第９章　北の塔→←【新たな生活の兆し】

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