1月の風〜頬に触れるは冷たい何か〜【Monthly Story〜月別の王子様〜】

January wind　　08 ページ10

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高校三年の春、俺は鮫柄へ、Aは岩鳶に転校した。



俺は、新しい俺の夢を叶えるために。

Aは、そんな俺を支えるために。




東京へ付いてきてくれて、支えてくれて。

あげくの果てには地元に戻るときまで一緒に来てくれた。


Aの存在は、俺の中で一番大きくて。

この世で一番、大事な存在だ。







東京から地元に帰る事を決めた日、

Aが、一緒についていくと言ってくれた日。


俺は初めて、Aに言った。









宗「いつもありがとう。Aの事、愛してる」









いつもAがしてくれてるみたいに、

後ろからそっと、抱きしめてみた。



Aは少し、驚いた顔をしていたけれど。

すぐにいつもの優しい微笑みに変わって。









貴「私こそありがとう。私も宗介の事、愛してるよ」









はじめて愛を、伝えた日だった。









あの言葉を交わしたから、一応俺達は恋人なんだろう。

でも俺達の関係は、今までと全く変わらなくて。


ただ、出かけた時に手を繋ぐようになったり、

キスをしたりするようになった。


今まで以上にAの事が知れた気がした。

嬉しかった。

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