1月の風〜頬に触れるは冷たい何か〜【Monthly Story〜月別の王子様〜】

January wind　　27 ページ29

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凛を連れて外へ出て。

人気のない、木の立ち上る場所。

木陰からさす光だけが、俺達を見守っていた。









凛「なんでだ。なんで嘘までついて、鮫柄に転校してきたんだ」







宗「…俺達はライバルだ。同じチームじゃないほうがいい。

　 ずっとそう、思ってた」









そう切り出した俺は、凛に話し始めた。






凛が岩鳶に転校するって言ったときも、何も言わずに見送った事。



中学に上がってからも、俺はひたすら泳ぎ続けた事。



"凛はオーストラリアで1人で戦ってる"

そう思って、Aに支えられながら、俺も自分の夢の為に頑張ろうと思った事。









宗「いつか、俺が世界の舞台に立った時。

　 きっとその場所には。凛。お前もいる」









それこそが、俺の夢だった事。

毎日厳しいトレーニングを続け、俺に勝てるやつがいなくなっていった事。





そんな時、肩に違和感を感じ始めた事。




Aにも止められたし、沢山心配もされた事。



それでも無視して泳ぎ続けた事。



でもその存在は、日を追うごとに大きくなっていった事。



それでも足りないと思い、練習を続けた事。









そして…









肩が壊れてしまったこと。









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宗「高1の夏の事だ。…そりゃ、壊れるよな。

　 そんな頃に江から連絡が来た。お前が帰ってきたと」



宗「けど会いたくなかった」



宗「立ちどまった姿を、お前にだけは見られたくなかった」









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リハビリ、故障、リハビリを続けてきた事。



他のやつに、どんどん追い抜いて行かれた事。



焦りだけが益していって、惨めだった事。









俺の夢はもう叶わないと気づいた事。

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