1月の風〜頬に触れるは冷たい何か〜【Monthly Story〜月別の王子様〜】

January wind　　22 ページ24

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翌日。地方大会の当日。

鮫柄水泳部は会場に移動し、それぞれ準備を始める。

俺も水着に着替えて、さあプールへ行こうって時に気がついた。









右肩が少し、青くなっている。









心なしか腫れもあって、ずきずきとした痛みも襲ってくる。


なんで、こんなタイミングで…




確かに最後に病院へ行ったとき、悪化していると言われた。

このまま泳いでいれば、直らなくなると。




それでも、たとえ一生使えなくなったとしても、

叶えたい夢というものがあるんだ。




Aは医者の話を聞いた後、静かに泣いていた。

俺の気持ちと、怪我の状況、自分が何もできないという嫌悪感。

全部が混ざって、涙がこぼれたんだと思う。


Aは何も悪くないし、むしろ感謝してる。

Aには止められたけど、背中も押してもらった。


感謝してもしきれない。

一生かけて、恩返していくつもりだ。



Aは言ってくれた。









貴『もしも肩が使えなくなったら。私が一生宗介の右側にいてあげる。

　 だから思う存分、夢を叶えて来てね』









Aの為にも、俺自身の為にも、ここで頑張らなきゃいけないのに…

夢を、叶えなくちゃいけないのに…


あと少しで、凛と一緒に泳げるのに…

あと少しで、仲間たちと一緒に泳げるのに…









宗「なんで、今なんだよ……！」









誰もいない更衣室で、俺の声は小さく響いた。

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