検索窓
今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:59,963 hit

最終章−1− ページ25

俺たち三人は知念と俺が出会った最初のフロアまで戻った。
あんなにいたマネキンは無くなっていて、それすらにも不気味に思う。

階段はどこにあったかな...と思いながら周りを見渡すと、ポールが倒れていることに気づく。


「あった...行こう」

「いのちゃん大丈夫?」

「うん、へーき」


そんなことを言っているが、眉をひそめて少し苦しそうだ。
やっぱり血が止まったといっても、まだ傷が痛むのだろう。

すると遠くから、コツコツ...と誰かが歩いて来る音が聞こえた。


「おばさんだ...!急がなきゃ!」


少し早足になり、階段を降りる。

着いたそこは書斎の様な場所。

知念は心臓がしまわれているのか机の引き出しを漁りだし、何か箱を出す。
これだ!と顔色を明るくさせて箱を開けたが目を真ん丸に見開いて呆然とする知念。


「な、ない......」

「お探し物はこれかしら」

「!?」


ここにいた三人全員がいきなり聞こえた声に驚いた。
振り返るとそこには黒いローブを羽織ったお婆さん。手に握られている黒いビニール袋。

ふふふと怪しく笑ったと思えば、いきなり目つきを厳しくして知念に目線を向けた。


「ゆうり、あなたは人形でしょう。」

「違うけど」

「随分冷めたのね、おばあちゃん悲しいわ......」


お婆さんに向ける知念の目は冷めきっていて、言葉の返しも冷たかった。

きっとあの黒いビニール袋の中に入っているのだろう。
お婆さんは黒いビニール袋を自分の目の前まで持ち上げると、ポケットをまさぐりカッターを取り出した。


「おい!てめぇ何して...!」

「あら、言葉遣いが荒いわよ。随分優しくないのね、ゆうりの自称友達は」

「ふざけないで、自称じゃない」

「あら、そう......
刺しても平気よ。ゆうりはお人形だから、心臓があってもなくても変わらないの。
まあ強いて言うなら、現実世界に戻れなくなるくらいかしら」


勝ち誇るかのような笑みで告げた言葉。
次の瞬間、予想打にしないことをする。
カッターの刃を出したと思えば、黒いビニール袋へと突き刺す。

切れ目からポタポタと零れ出してくる赤い液。
そんな光景を呆然と見ることしか出来なかった。


「これでおばさんとずーーっと一緒よ?ゆうり」

最終章−2−→←作者から



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , やまちね
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キャティア(プロフ) - どうやったら、漫画などの絵を載せることが出来ますか?教えてください!! (2017年2月23日 20時) (レス) id: 3b338422a0 (このIDを非表示/違反報告)
偽り(プロフ) - 漫画が上手い!! (2017年2月23日 6時) (レス) id: 90395ad59e (このIDを非表示/違反報告)
ポヤサン - 大好きです!!!!! 頑張ってください。 (2017年2月18日 13時) (レス) id: 09d280978a (このIDを非表示/違反報告)
詩歩(プロフ) - この作品いいですね!最後のbat endって綴り、bad end ですよ〜! (2017年1月15日 8時) (レス) id: a41764ba41 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - Hey!Say!JUMP大好きっ子(あやね)さん» どんどん癖になっちゃってください!笑 ありがとうございます!頑張ります! (2017年1月14日 11時) (レス) id: e160cb7ab7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちあき | 作成日時:2017年1月8日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。