魔女見習いですがっ！

11話 ページ12

『大丈夫です、煉獄さんにもお話するつもりでしたので』


｢そうか！！｣


突然大きい声を出した煉獄にゴホンと咳払いするしのぶ
煉獄はハッとした後勢いよく自分の手で口を抑えた
その行動がなんだか小さい子供みたいで笑ってしまった



そんなこんなで2週間が過ぎた頃
電気や家電製品の有難みをこんなにも噛み締める現代人は最早菫だけではないだろうか


最初の1週間で炭治郎が目を覚まし、改めてもっと重傷であった煉獄の治癒力に驚きながら菫はまだ今後どうするのかを決めかねていた


ずっとここにお世話になる訳にも行かないし仮に煉獄さんの所に行ったとしてももしかしたらある日突然現代に戻るかもしれない…
手伝い、もしくは女中として働いて突然居なくなったりすると迷惑だろうし…



｢よもや、ここに居たのか｣


縁側で今日から炭治郎が機能回復訓練とか言うやつをしているらしく、それを眺めながら考えていた所に煉獄がやってきた

包帯が取れ今は潰れた目を隠すように眼帯をしている


『おひとつどうぞ』

そのまま隣に腰を下ろしたのでおやつに食べていた芋羊羹をひとつあげた


｢うむ！ありがとう！わっしょい！！｣


菫はいきなりのわっしょいに2度見した

これまで病室で美味い美味いと叫んでいるのを聞いてきたが何やら種類があるみたいだ


『芋羊羹好きなんですか？』

｢芋羊羹、というよりかはさつまいもが好物だ！｣

『私も大好きです！』

ご飯にもスイーツにもなりますよね、なんて話していると煉獄さんが黙って固まっていた


『あのどうしました？』｢所で緑山さん！｣

不思議に思って問いかけようとした瞬間煉獄と言葉が被った


｢よもや！被ってしまったな！俺は後でいいから喋るといい｣

『あ、いや、いきなり黙ってしまったのでどうしたのかと』

｢なんでもない！この話はお終いだな！｣

お終いにされた！


｢2週間前、俺が言った女中の話は考えてくれているだろうか…嫌ならそれでいい、聞かせてもらえるか？｣


良い機会だと思いこの2週間考えていた事をそっくりそのまま話した


『それでまだ迷ってます…』


｢そうか！だが俺は迷惑だと思わない！君がもしいきなり居なくなったとしても誰も君を責めたりしない。大事なのは緑山さんがどうしたいかだ｣


私がどうしたいか…


『…煉獄さん』

｢何だ！｣

『女中の話、お受けします』

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