05 説得 ページ6
はぁ、あの狐。
余計な事を言いやがって。
目があったせいで
見えないふりをしてることを悟られたか。
「メガネってアイツか?」
金髪の男子生徒が聞く。
確か、安倍って名前だったか?
「でも、どうしてAが?」
花繪も不思議そうだ。
「A。」
禅子が僕に話しかけてくる。
僕は笑顔で答える
『ん?どうしたの?禅子。
お話終わった?』
「うん。」
「あのさ、A。
さっきのキツネ見えてた?」
花繪は少し不安そうに聞いてくる。
『はぁ…見えてるよ。』
ここで嘘つく理由はないなと思い
正直に話す。
「えええっ!」
「?!」
花繪は予想以上の反応をしている。
禅子と安倍も目を見開いて
驚いているようだった。
『うるさい。』
「だって、見えるなんて、一言も…。」
花繪はなんでいってくれなかったんだ、
という目で僕をみた。
『そりゃ、見えてなかった花繪に
妖怪見えるんだ!っていったことろで
変な顔をされるだけだろう。』
「あ…そっか。そうだよね。」
妙に納得したようだった。
『なんの力ももたないヒトの
僕が妖怪たちのために
出来ることは少ない。』
それに…下手すれば
こっちが死にかける。
『それでも、
何か出来ることがあるなら…。
禅子、悪いけど
放課後、お邪魔させてもらうよ。』
「わかった。」
禅子も日々の言動から
何かを察していたらしく
納得した様子だった。
『安倍くん?
僕にも君の知人の記憶探し
手伝わしてもらえないかな?
大事な記憶なんだろう?
君と彼にとって。』
「わかった。
よろしく…お願いします。」
そうして、全員納得したところで
禅子の家に行くことにきまった。
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作者名:桜月 | 作成日時:2020年9月17日 3時