04 妖狐 ページ5
あれから、数日後の朝。
禅子から一緒についてきて欲しい
場所があると言われた。
『2組?』
「うん。」
1年2組といえば
花繪のいる教室だな。
禅子は一人の男子生徒を呼び止める。
「禅子?!それに、Aまで!」
振り返ったその先には
花繪がいた。
『おはよう、花繪。
禅子が用があるらしくてね。』
「「知り合い??」」
二人は見事にハモる。
『兄弟とクラスの友人。』
2人を交互に指差しながら言う。
「そうなんだ。あのね、花繪。
この間はありがとう。
あの時はお礼を言う暇も無かったから。」
「あ、いいよ。
あれはこっちの都合で
したことだし。
もしかして、それを
言うためにきてくたれの?」
「それもあるけど、
聞きたいことがあって…あ…!」
「あ?確か…清竜寺のとこの娘…」
「あなたは、この間の着物の人…」
「安倍です。どうも。」
「藤原禅子です。よろしく。
貴方もいるなら、丁度よかった。」
そう言って手首を見せる。
そこには模様と歯形があった。
他の友人たちには見えないことや
病院で検査したが異常ないことを
禅子は安倍と花繪に話した。
僕は少し離れたところで聞いていた。
その後、狐が現れ
なんか揉めているようである。
チラッとそちらを見たとき
狐と目があった気がした。
「わかった。でも、1つ条件がある。」
「条件?」
「そこにいるメガネも参加すること。
それが条件!
じゃ、授業が終わったら寺に来てよ。」
『?!』
狐はニヤッと笑うと煙を巻き
消えていった。
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作者名:桜月 | 作成日時:2020年9月17日 3時