素直になれよ、ファントムシーフ！２ (ページ25)

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花宮「おはよ～梅雨ちゃん、朝早いねぇ」

蛙吹「おはようAちゃん。まだ寝ぐせが取れていないようね」

花宮「お布団変わったら眠れなくてさ、なかなか寝付けずこのざまでございますよ」

蛙吹「今日は大変そうよ、無理しないでね」

花宮「ん、ありがと！」

ということで、今日の内容が先生の口から発表された。

相澤「昨日話したと思うが、ヒーロー科一年A組は仮免取得を当面の目標とする。
ヒーロー科ってのは人命に直接かかわる責任重大な資格だ。

当然、取得のための試験はとても厳しい、仮免と言えどその合格率は例年五割を切る。
そこで今日から君らには一人最低でも二つ、必殺技を作ってもらう。」

その声に合わせて先生たちが三人中に入ってくる。
セメントス先生とミッドナイト先生とエクトプラズム先生だ。

エクトプラズム「必殺、コレスナワチ必勝ノ型・技のコトナリ」

セメントス「その身につかせた技・型は他の追随を許さない。
戦闘とはいかに自分の得意を押し付けるか。」

なんとなく、今まで考えたことがないわけじゃなかったけれど必殺技ってどこか自分の個性とは縁遠いものだと思っていた。

ミッドナイト「技は己を象徴する。今日日必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ」

相澤「詳しい話は実践を交え合理的に行いたい、コスチュームに着替え体育館γへ集合だ」

麗日「Aちゃん浮かない顔して、どしたん？」

花宮「うーん、何か必殺技ってぱっとしないなと思って、私の個性…」

麗日「えっ！？そんなことないよ？！」

花宮「例えば爆豪くんや轟くんなんかは、パッとしてて分かりやすいじゃん？
あ、それに緑谷くんもだね、よくデトロイトスマッシュって言ってるし！」

麗日「で、ッ！？そ、そうだね！！！」

花宮「はは、お茶子ちゃん動揺しすぎじゃない？」

そんなことを話しながら、体育館へと進むみんなの後を着いていく。

相澤「体育館γ。通称、トレーニングの台所ランド。略してTDL」

セメントス「ここは俺考案の施設。生徒一人一人に合わせた瀬敬や物を用意できる。
台所ってのはそういう意味だよ」

なるほど、なんて声が回りから漏れたのが聞こえた。私もそのうちの一人だ。

飯田「質問をお許しください！！
何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います！！！」

相澤「順を追って話すよ、落ち着け。」

暴れ馬を落ち着けるように飯田くんのことを窘め、先生はヒーローとはなんたるか、ということを話し始めた。