＊ 2021/10/18 ページ26
「、ああ、留三郎か。 私たちが建物を回っていた時な、忍者と戦闘を終えた先生方と合流したのだ」
「……忍者と戦闘？」
「だから留三郎を説明役に置いてきた！ な！ 滝夜叉丸！」
「な！ じゃないですよもう！ 食満先輩絶対お怒りになってますよあれ！」
ああ、自分が説明するの面倒だったんだろうなあ、と喜八郎は漠然と思った。 その隣で、甲斐丸は固まっていた。 青白い顔色を、更に真っ白にして。
「先生方は、忍びと戦闘をしていたのか……？」ポロリと、零すように甲斐丸は言う。
「なんだ、知らなかったのか？ この城に突入する時にな、数人の忍びに囲まれたんだ。 先生方がそれを相手取って、私たちはお前を探すため先に突入した。 てっきり私は、仙蔵が説明をしたかと思っていたぞ」
そうか、と甲斐丸は思った。
だから、先程三木ヱ門は「先輩"も"敵の忍びと！？」と尋ねてきたのだ。 喜八郎も、既に知っていたから突っかからなかったのだ。 そうか、そうか……
「もっと早く言え」
「「すみません」」
「ちがう」
思わず地を這うような声が出た。 だがそれは、そんな重要な情報の伝達を疎かにする原因となったであろう、小平太やタカ丸の余計な言動を思い出したからである。 決して滝夜叉丸と喜八郎に向けたものではなかったが、二人は甲斐丸の声色に何となく即座に謝罪した。
「……けど、忍者隊との戦闘を終えたって、先生方が引いたんですか？ 片付けたんですか？」
顔を上げた喜八郎が、快活に笑っている小平太にそう問う。
「いいや、どうも違うらしい。 それがまたおかしいのだが、忍者たちが引いたらしいのだ。 城から去っていったと先生方が仰っていた」
「見捨てたんですかね」
「今の時点じゃ、なんとも言えん」
「私はたぶん、そうじゃない気がします」
甲斐丸は、その話を聞きながら、やはり、と思っていた。 ばっと、城の上階部分を見つめる。 その時、ピシャリと締め切られていた出窓が、勢いよく開いた。 中から黒煙と共に、一人の男が顔を出す。 先程見た顔だ。 間違いない、この城の城主だ。
「いたな」
「あの男ですか」
「ああ」
「じゃ、さっさと外壁登って捕まえてきましょう」
水被る手間が省けた、と言いたげに石垣へ歩み出した喜八郎の首根っこを衝動的に掴んで、甲斐丸はそれを止めた。 喜八郎が目を丸くして、甲斐丸を見上げる。
「……少し、少し待て。 何か、嫌な予感がする
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星月夜(プロフ) - 空桜さん» コメントありがとうございます！！ドキドキしていただけてとっても光栄です！ 嬉しいです〜！ これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします〜！ (2020年2月2日 10時) (
レス) id: a4d6640b48 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 四年生との絡みが一番好きです(*´-`) これからの展開が読めなくて毎回ドキドキしながら読ませてもらってます (2020年2月1日 20時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星月夜 | 作成日時：2019年10月22日 13時
