第十二話 ページ12
朝霧姉さんは、いつもの営業スマイルだけど、
何故か少しだけ黒い。
「いやさぁ、いつもみんな俺の前で綺麗な舞見せてくれるから、
どんな練習したらそんなに綺麗に踊れるのかなーって
気になったから、入れてもらっちゃった。」
今話題のテヘペロ、的な顔をするその人。
そして私は思い出した。
あぁ、あの写真の人だ。
表情でイラっときたからあんま見てない人だけど、
そう、この表情。この沸き上がる感情。この人だ。
殴っていいですか。
と聞きたくなる衝動を抑え、
朝霧姉さんの次の言葉に耳を澄ます。
朝霧姉さんは、遣手の姉さんもが頼りにするほどの人格者だし、店の色々なことを任されていて、言葉はなけれど誰もが頼りにしている。
「ごめんなんし、わっちらは今、真剣に稽古に励んでござりんす。
及川様とて、お静かにして頂けないのならお引き取りを。」
ズバッと言った朝霧姉さん。
流石。
ストレートに出て行けとまでは言えないから、
これが一番の対応だと思う。ナイスです。
「えー、朝霧ちゃんはいつもお堅いねぇ。
ま、いいや、静かにしてるから続けて。」
チッ。
いや、心の中で舌打ちしました。
実際してないから大丈夫。
「...」
ふと、周りを見回すと。
一部の姉さんたち以外は、及川さんに目を輝かせてる。
え、なにこれ。
私にとって第一印象最悪なんだけどさ。
もしかして私がおかしいの? ええ……?
本気で困惑している彼女。
自覚はないだろうが百面相をしている。
そして、姐さんたちの練習再開の声がかかると、
我に返ったかのように練習に戻った。
「...変な子。」
そう呟いた及川は、
誰にも見つからないように舌なめずりをする。
自分の前にいても目は輝かせない、
本性を知ってる朝霧たちのように露骨に怪訝な顔はしない。
何を考えているのか丸分かりな彼女が、
及川の目には光って見えたのだ。
...いつから店に出るのかな。
なんだか今、とっても
楽しい___。
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颯 - 黒尾鉄朗がっごいいいいい (2015年3月21日 9時) (レス) id: 6d17eb9fea (このIDを非表示/違反報告)
りっさん - 夜久さん素晴らしいです。グッジョブです!! (2015年3月18日 22時) (レス) id: 9319e60931 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - 第29話の三行目の黒尾様が__ってところ黒男様になっています!あ、これわざとでしたか??でも気になったので指摘してしまいました;;; (2015年3月15日 16時) (レス) id: 0fb612002d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - かよさん» 本当ですか!!?もうその一言だけで今胸がいっぱいになりました。ありがとうございます...! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - 7時さん» 嬉しいです...!ありがとうございます!!赤葦さんかっこいいですよね(笑) な、殴られました!?さらっと言ってますが大丈夫ですか!?(笑) 更新頑張ります!! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星月夜 | 作成日時:2015年2月26日 12時