心を見つけた虎の子。

決着 ページ8

『ただいま』

T0「おかえり。あれ、チカは？」

『自分と交代で紗希のとこ行った』


T36「お疲れ様です。ほら、お姉ちゃんに言いたいことあるんでしょ？」

T35「……(ぎゅう)」

『才木君……？』



T35「ごめん、なさい」

『大丈夫。可愛い後輩を守るためやもん』

『でも、こうなる前に相談はして欲しかった。自分じゃなくて、はる君とかハマチ君とかでええから。あんまり人のこと言われへんけど、一人で悩むより誰かに相談した方が楽やし、解決も早くなるから』

T35「…はい、わかりました」



『ありがとう。自分のこと、守ろうとしてくれたんやろ？』

T35「(ｺｸｺｸ)｣

『その気持ちだけで十分やで』


頭を撫でると、大粒の涙を流し始めた。

T16「うわぁ」

『安心したんですかね。やっと身体の力抜いてくれました』

T36「お姉ちゃん、そのままだと潰されますよね？」

『多分な。はる君、ハマチ君、この大きい子お願いしていい？紗希のとこ行って決着つけたいし』

T29「はぁい」


二人に手伝ってもらい、才木君を引き剥がしてロッカーを出ようとしたら。



ガン、と金属室の音がして、頭部にまあまあな痛みが走った。


『痛っ！！誰！？』

T5「ごめん。ホンマにごめん」

『ご飯奢りで許す』

T5「紗希とは決着つけてきたから安心して」

『ありがと』

T5「あいつ、最後までAがどうこう言っとったで」

『うわ、見苦しすぎひん？』

T5「やから論破したった」

『マジか』




これにて、タイガースに平和が戻りましたとさ。

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