ここが私の帰る場所。 ページ43
※一気に時間が飛びます。
F80「A、またやってくれたな。」
『監督こそ。』
二年連続の日本一を達成したファイターズ。
未成年だし、ビール掛けから少し離れて監督と談笑。
F80「二年連続の胴上げ投手か……伝説だな。」
『その伝説を作ったのは監督でしょう。私を使ってくれてありがとうございました。』
F80「来年も働いてくれよ。」
『勿論です。』
きっと、10年後、20年後にも私はファイターズにいるだろう。
ファイターズが好きだから。ファイターズにいたいから。
ここが私の「帰る場所」だから。
F80「ところで、Aにメジャーから声がかかっているが…」
え、私に?
F80「今のAから十分にやっていける力はあると思う。後はAの決断次第だ。」
『今、答えを出して良いんですか?』
F80「決まってるのか?」
『はい。私は……ファイターズに残ります。メジャーには行きません。』
これが私の答え。
F80「行かないのか?」
『はい。やっぱり、1000本安打とかの記録を達成したとき、ファイターズのユニフォームを着ていたいから。私の帰る場所は、ファイターズなんです。
確かに、挑戦という意味でメジャーに行くのも良いかもしれません。でも、私がファイターズにいたいんです。』
F80「…そうか。じゃあ、向こうにはそう伝えておく。」
『はい。わかりました。』
これは逃げるんじゃない。私がしたいようにするだけだから。
113人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神瀬結衣@虎党 | 作成日時:2019年3月3日 0時