月下の獣、吠える（おまけ） ページ48
雨が降り、見事な満月が隠れてしまっているある日の夜
管狐からの知らせに、頬を濡らす美しい女がいた
見事な白銀の髪を垂らし、水晶のような瞳から雫が一滴、また一滴と零れ出ている
女の手には紙が握りしめられていた
女は声を押し殺し、歯を食いしばって叫びそうになるのを我慢した
そんなことをしてしまえば、自身を慕う彼らが心配してきてしまうからだ
「また、また私を残して逝ってしまった…あ”ぁ”…！」
悲しみに胸が張り裂けてしまいそうだ
前会った時には、元気に笑っていたのに…女は叫ぶ
前会った時、それは約２０年前のことだ
女にとってはちょっとでも、人にとっては長い時間
女は息を吐き、ぼんやりと夜空を眺める
女の心のように、まだ雨は降っている
「…ゆっくりお休み。私の可愛い子」
ふぅと握りしめていた紙を手のひらに乗せ息を吹きかける
すると髪は蝶々のようにひらりひらりと舞い飛び始める
女は暫くそれを見ていると、静かに立ち上がり刀を取った
瞳には、哀しみと諦め…そして強い憎悪
こん「びゃ、白虎様...？」
「明け方には帰ってきます」
有無を言わさない口調で部屋を後にする女
管狐はその後ろ姿を悲し気な瞳で見送った
この日
四神が一柱・西の白虎の見習いであった審神者、黒豹が時間遡行軍の襲撃により亡くなった
原因は、年による衰えで結界が一部崩落。そこに時間遡行軍が攻め入ったという
そして、黒豹に攻め入った時間遡行軍約二百体は四神・白虎により一夜で殲滅された
月明かりに照らされ頬に流れる雫が光を反す
衣服を紅に染め上げながらも刀を振るい叫ぶその姿は獣のようだとその場にいた役人は言った
『狂乱の月下獣』
疎く光る鋭いナニカが混じる地を踏みしめ月下獣は自身に、愛おしい彼に、その彼が愛した彼らに刃向かう者を一人残らず切り捨てた
慟哭がその場の空気を震わした…
白虎「な、ななな…！何よコレ！」
薬研「何って…大将の話だが」
浦島「あ！それ兄ちゃん達と呼んだやつ！」
長谷部「この作者、まるで見ていたかのような…って、これは…」
陸奥守「ん？これわしが撮った主の写真ぜよ！それを渡したのは確か…」
鈴「あ、師匠！聞きましたよ〜また伝説を残したって！」
「こ、こんのすけぇ〜!!!」
作者：西の白虎付きのこんのすけ🦊
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イッヌの毛 - あの苗字が十六夜！作者さん東方好きなんですか？ (2020年10月7日 19時) (
レス) id: e2d97a71dd (このIDを非表示/違反報告)
愛桜(プロフ) - お疲れ様です！暴かれし麗しの花 伍のVIPは、MVPでは無いでしょうか！意図的だったらすいません！ (2020年9月29日 16時) (レス) id: 7f287eacb1 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - この作品神だと思います！頑張って下さい！もう更新まだかまだかと待ち構えてます！もう好き← (2020年9月10日 20時) (レス) id: ee2ee390ab (このIDを非表示/違反報告)
みかん - なんだ、神作品かよ崇めるわ← (2020年9月10日 6時) (レス) id: 186b49f139 (このIDを非表示/違反報告)
紅しょうが - 刀剣乱舞とヒロアカのクロスオーバー！私得すぎて泣きました(笑)ヒロアカキャラがどう絡んでくるのか楽しみです！四神の設定カッコイイですね好き← (2020年9月6日 17時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(*´ω｀*) | 作成日時：2020年9月6日 16時
