オリまに戦記 みみずくの戦い

毒殺の練習です ページ3

怪我で寝込んでいる間は、薬の本を読んでひたすら勉強した。
よく、死ぬ気で頑張るというが、私の場合は正にそれだ。

見込み無しと思われた瞬間、実験台いきは確実。


一つ、話をしてもいいだろうか？

私の師匠であり育ての親、元の私を知る唯一のその人は、とても素敵な人だった。

薬をつくるのが何より好きで、傷が治っていくことに喜びを感じる人だった。
毒をつくるのが何より好きで、体が壊れていくことに喜びを感じる人だった。

私の怪我が完全に治った時の演出も素晴らしかった。
実験台の男が逃げ出し、山の中を駆け回ったが、わずか二分ほどでかすり傷一つ負わずに男を連れ帰った。

おそらくは私が逃げ出さないように見せつける狙いもあったのだろう。

その計算された演出には、私や実験台をまるで人間として見ていないことが現れていて、とても素敵だと思う。

後からわかったことだが、私は価値観がかなり人とずれているらしい。
他のことに関してはそうでもないが、人を選ぶ趣味がとことん悪いそうだ。
生い立ちからの影響というやつだろうか？
よくわからないけれど。


ずいぶんと話が長くなったが、まぁ、そんなこんなで私は無事に薬と毒の作り方を極めた。
作り方は極めたのだから、後は使い方を極めるだけ。
なので、とりあえず、忍者の里に入り込んで使ってもらうことにした。
そこは偶然にも、私の母を壊した奴らの里だった。

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