【H×H】胡蝶の夢～ハンター試験編～ (ページ29)

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『クラピカはこの試験が終わったらどうするの？』

「そうだな。正式なライセンスを得たら雇い主を探すつもりだ」

『雇い主？』

「ああ、情報と金が巡っている世界に入ることができるようにな。Aは？」

『う～ん。私は･･･また旅を続けるかな。でも、あのときの約束はまだ継続中だよ。力になれることがあったら言って』

「ありがとう。４次試験だが、一緒に行かないか？
次はサバイバルになるだろう。一人より複数の方が行動しやすいだろう」

『嬉しいけど、今回は遠慮しておく。このターゲットもかなりアブナイヤツみたいだし･･･』

301番のカードをひらひらとさせながら、いたずらっぽく笑う。

「ならばなおさら･･･」

言いかけて辞める。まだ自分の実力ではAには及ばないのだろう。

『クラピカはさ、絶対に合格してよ』

力強く見つめるAの瞳にたじろぐ。強い光を放っているのに、目を離せば消えてしまいそうな錯覚さえ覚える瞳だった。

－－

「それでは、3次試験の通過時間が早い人から順番にどうぞ!!」

やたらハイテンションなおねぇさんの合図でヒソカが森の中に入っていく。

ターゲットの301番は直前。2分ごとに出発なので、すぐに追いかければ見つけられるだろう。

カタカタさん(勝手に命名)は船から下りると、ゆっくりとした足取りで森の中に消えていく。

「さあ、次。100番、スタートしてください」

『また、6日後にね!!』

船で順番待ちをするゴンたちに手を振りながら、Aも森の中に入っていく。

感覚手を薄くのばし、島の気配を探る。

何種類かの動物と、何人かの試験官の気配を察知する。試験官もプロのハンターだろうが、ヒソカやカタカタさんの方が気配が分かりにくい。

一人の試験官は自分を尾行するようだ。動きにくいことこの上ないが、仕方がない。