出会い4 ページ6
幸太side
そして帰り道、俺達は昔のように隣を歩いていた。
A「ごめんね、神名くん。私が無理に誘ったりしたから……」
「えっ?いやいや!Aのせいじゃないから大丈夫だよ!」
A「そう?ならいいけど…」
むしろAと長里が2人で居るの見なくていいし…有り難いくらい、なんて。
A「あ、見て!神名くん」
「ん?あ……」
Aが指を差したのは、俺達が約束を交わした時の桜の木だった。
A「懐かしい……」
「えっ、」
そう呟くAに、俺は耳を疑った。
懐かしい…?Aは記憶喪失のはずなのに?
A「実はね……ここで誰かと約束をしたことがあるの」
「約束……」
A「いつだったか、誰だったかは分からない。でも、約束したことだけは覚えてる」
そう言ってAは桜の木に手を当てた。
A「またここで会おう、って……」
「!」
A「そう言えば、神名くんともここで会ったよね。もしかして神名くんがその人だったり、なんて」
「あ……」
A「そんなわけないか。ごめんね、神名くん。こんな話聞いてもらっちゃって。神名くんにそんな話したって仕方ないのにね」
そう言ってAは悲しそうに笑った。
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作者名:スガ | 作成日時:2020年6月29日 21時