後継者 ページ17
植田「Aさんが、そういう理由で仕事辞める人だと思いませんでした。」
「あっ、うん。ごめんね・・・」
倉庫に新しい商品を2人で並べていると、植田君がボソッとつぶやいた。
植田「別に悪いって意味じゃないっす。意外っていか…」
「意外って、どうせ、色気ないとか思ってたんでしょ(笑)」
植田「男に人気ないってわけじゃないですよ…実際にAさん目当ての男性客もいるし…」
「おじさん達でしょ(笑)娘みたいに思ってんのよ。」
植田「そうそう、そういう自分を女って見ないでオーラが出てますもん。」
そう言うつもりじゃないけれど、女の子扱いされるのは苦手だった。
植田「自分からも、男性にアプローチしなさそうだし…」
それも、苦手かも・・・
植田「Aさんも、この仕事好きですよね？」
「うん・・・大好き。」
植田「だから・・・」
「だから？」
植田「Aさんを見つけて、振り向かせて、仕事まで辞める決心をさせちゃう男ってどんな人か興味あります(笑)」
短い期間に私の事を人間観察している植田君は、きっと人相手のこの仕事に合ってるって思えた。
「私もこの仕事好きでしょって・・・植田君も好きって事？」
植田「はい…ここって走るの好きな人が集まるところだから、目指しているものは違ってもなんだか、パワーをもらうっていうか…頑張れます。」
仕事を続けながら、陸上の大会にも出るって道を選んだ植田君はキラキラしていて…
「植田君、さっき事務所で私が辞めるって言って、店長がしんみりしちゃった時、店長をいじって空気変えたでしょ…」
開店前なのに沈んだ空気にしてしまった私だけど、
植田君は一気に皆のテンションを上げた。
植田「あっ、そうすか？俺、最近、店長とのどつき合いみたいの楽しくて。」
店長もシャイな植田君が早く雰囲気になれるように気に掛けていた。
「植田君が頑張ってくれてるから、私気持ち良くドイツに旅立てるんだ！」
そう言って伸びをする私に植田君は優しい笑顔を向ける。
植田「じゃぁ、ここ、さっさとやって、店を手伝いますか！」
植田君のその言葉に、私は頼もしさすら感じた。
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かりんこ(プロフ) - 初めまして！一気に読ませてもらいました。久しぶりにこんなにハマったお話みつけました(笑)今でもニヤニヤが止まりません(笑)個人的にはもうちょっと内田さん！！！って感じもしましたけどやっぱり岳くんですね！笑応援してます。 (2016年11月14日 3時) (
レス) id: 80c3c3dd16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モニカ | 作成日時：2016年1月23日 15時
