嘘つき彼女 ページ3
「加奈子ちゃん、朝だよ、起きて」
布団にくるまった加奈子ちゃんを揺すると、加奈子ちゃんはんんー、と呻きながら寝返りを打つ。僕の方を向いて、大人っぽく微笑んだ。
「おっはよう、敦少年。鏡花は?」
「出社しましたよ。加奈子ちゃんも行きましょう」
布団を引っ張ると、ああ、と加奈子ちゃんが小さく悲鳴をあげる。
「駄目だよ敦少年。いくら私の裸が見たいからって」
「⁉」
滑らかな肌。真っ白。
「………何で⁉服は⁉」
叫ぶと、加奈子ちゃんは頬を膨らませた。
「全くもう。私だって女の子だからね?ちょっとくらい恥ずかしいよ………あー。ふふっ、それとも敦少年、や」
「さっさと着替えてください‼」
理性が吹き飛びそうだ!
「んもう、敦少年の草食ぅ」
廊下に出て、加奈子ちゃんが着替え終わるのを待つ。中から微かな物音がして、先程の光景がフラッシュバックする。
事故。不慮の事故だから。
「敦少年、いやらしい事考えてるでしょ?」
「うっわああああああ⁉そんな事ない‼」
いつのまにか隣に立っていた加奈子ちゃんに、弁明するように腕を振る。加奈子ちゃんはいつも通りの笑みで、玄関で靴を履いていた。
「なぁるほど、敦少年は草食だから、あんなに可愛い子と同棲してても平気なんだ。私が男の子ならすぐ襲っちゃうけどなぁ」
「な、何の事でしょう」
素知らぬ顔で素早く靴を履き、勢いよく玄関を出た。
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年8月11日 21時