嘘つき彼女 ページ2
「少年、シャワーありがとね」
濡れた髪をタオルで拭く加奈子さんを、何故だか直視できない。隣に座る鏡花ちゃんは、加奈子さんにさっき淹れたばかりのお茶を差し出した。
「ありがとう、鏡花」
じとーっと舐めるような視線を送る鏡花ちゃんに、僕に向けたのと同じ艶やかな笑みを浮かべる。鏡花ちゃんの警戒心も少し溶けたのか、こくりと頷いた。
「あの、失礼ですが………加奈子さんはおいくつなんでしょうか」
「んー?歳?敦少年、私の事いくつだと思ってんのかな?怒らないから云ってみ?」
う………っ、満面の笑みなのに凄い迫力。僕は縮こまりながら、正直に答えた。
「僕と同い歳くらいで………18歳、かと」
瞬間、加奈子さんがきょとんとする。ふっと笑い出し、終いにはお腹を抱えて大爆笑。
「か、加奈子さん?」
「なぁんだ、それくらいだと思ってたの?あんなにおずおず聞くからてっきり………んーでも惜しい!私は16歳!」
にっこり笑う加奈子さん。
「だからね、敬語とかさん付けとか、無駄にきっちりすんのやめてよ。何か痒いじゃん」
「えっと………じゃあ、加奈子ちゃん?」
「呼び捨てはしないんだね。ちなみに私は今から敦さんとか恥ずかしいから、敦少年で通すけどね!」
元気溌剌、天真爛漫。そんな言葉が相応しい彼女に、じっくりと魅せられていくのは、もう少し後のお話。
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年8月11日 21時