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秋ちゃんと別れた帰り道。なんとなく寄り道をしようと、いつもとは違う道を歩いていた。
「冬真、学校は？ このままだと留年しちゃうよ？」
「はぁ…、別に関係ねえじゃん」
” カサッ…”
「なにこれ……冬真タバコ吸ってるの？ シェフ目指してる人がそんなことし、」
「シェフなんか目指してねえし。てかオレ、学校やめるわ」
その途中、BMXの練習場で冬真と女の子が言い争うのを見てしまった。
正直、冬真のタバコも、あの発言も……すごくショックだった。
……でも。冬真は冬真なりに悩んで、そしてきっと、苦しんでるんだ。
退がることも、進むこともできない、…そんな狭間で。
「……どうした、」
『やっぱり、手伝おうと思って…』
「心配すんなって言ったろ。それよりお前、練習しなくていいのかよ」
お店に着くと、たくさんの食材に囲まれ、夏向がひとりで明日の準備をしていた。
夏向は私が毎日、小さい頃からピアノを練習していたのを知っている。
だけどそれはもう、…過去のこと。
『いいの、………もう、やめたから』
「は？」
『これ、洗うね』
夢に向かって努力をして、ちゃんと叶えた夏向には理解しづらいことかもしれない。
信じられない、きっとそんな顔をしているはずの夏向と目を合わせることはできなかった。
＊
＊
＊
夕方になって、美咲ちゃんがお店に戻ってきた。
『美咲ちゃん、お昼はごめんね…』
「え、いや……Aちゃんが謝ることないよっ？」
『でも、』
「千秋さんも言ってたけど、誰だって言いづらいこととか言いたくないことってあるよね……だから気にしないでっ、ね？」
すぐにケーキ作りを始めた美咲ちゃんに一言だけ謝ると、いつもの明るい笑顔で励ましてくれた。
私のせいで気まずかったはずなのに……本当に優しい人。
それから日付が変わって、１時を過ぎた頃。
先にウエディングケーキを無事に完成させた美咲ちゃんは、まだ終わりそうにない夏向の手伝いを始めた。
調理に関して何もできない私は、そんな二人を見守ることしかできない。
こうして見ると、本当に二人はお似合いで……またモヤモヤと胸が痛みだす。
そんな気持ちをごまかすようにそっと、私はひとりでテラス席へと抜け出した。
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I(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！！ …夏が人に恋をさせる らしいですからね、日村信之(36)さんによると（笑）気にいってくださってとても嬉しいです。これからもお楽しみください(*^^*) (2016年8月3日 10時) (
レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 夏の恋って憧れますよね！素敵な作品と出会えて感謝です。\(*´∀`*)/ (2016年8月3日 7時) (レス) id: e7a4dccf18 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん！コメントありがとうございます(*^^*) …そうなんです、これを書き始めたときにただの夏のラブストーリーではなく夏特有の切なさも織り交ぜたいと思ったので、切なさが伝わっていてとても嬉しいです☆ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - ＊いちご＊さん» いちごさん、コメントありがとうございます^_^ きゅんきゅんニヤニヤしていただけて私のほうこそニヤニヤしております（笑）冬真の本気なのか冗談なのかわからないアプローチが書いててとても楽しいです♪ (2016年7月28日 13時) (レス) id: 1e35e1a13a (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 初コメスミマセン。すっごく切ないです！でも、とっても面白いです (2016年7月28日 9時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2016年7月13日 2時
