【名探偵コナン】愛して"いる"んだ。 (ページ1)

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幼馴染というのは、どうも厄介なので。
降谷零、という私の幼馴染は子供とは思えないような頭の切れ者でいつも誰かのために動いている。
たまに自分を見た時にする苦虫を噛み潰したような顔。

私はどうもそれが苦手なようで。

「降谷…寝てんなよ」

「…ッ！！…は、んだよ…早見かよ」

「悪かったな、早見で」

どうやら彼は私を嫌っているらしく、私を見た時にいつも睨んでくる。
FBIの赤井捜査官よりかはまだマシらしいが、赤井捜査官までも私を心配する。
それは彼が私の降谷への願いを知っているからだろうか。

「あぁ、起きたのか、降谷くん」

「チッ！赤井いっ！！」

「…降谷、そんなに怒るな…
血管がブチ切れるぞ」

「お前は黙ってろ、早見」

「…」

いつもこうだ。
私にはこの2人の喧嘩にすら参加させてもらえない。
喧嘩というのは同じレベルのもの同士でしか成り立たないらしい。

降谷、君は私を上に見ているのか下に見ているのか、どちらなんだ？

私が君に愛されたいと願ったのはいけない事なのだろうか。
愛している、と甘い言葉を吐いて花吐き病すら君の愛で消してしまうような愛を望むことはいけない事なのだろうか。

「…ぐ、ゴホッ」

「っ！？早見くん！！」

「…早見？お前…」

ゴホッと咳をして吐き出したのは黄色のユリ。
なるほど、嫌な話だ。
黄色のユリの花言葉は『偽り』『陽気』

何の嫌がらせだろうか。
降谷はお前、と言った後、花吐き病なのかと言おうとしたのだろう。
私の雰囲気に押されたのか押し黙ってしまった。

違う。
違うんだ降谷。
君にそんな顔をさせたいわけじゃない。

君をひとりぼっちにさせたいわけじゃあないんだ。

「く、ゴホッゲホッ！」

「だ、大丈夫か！！？」

「赤井、それに触るな」

「は？なにを言っているんだ！！？」

「花に触れば花吐き病は移ると言われている。
早見とて、同じ事だろう」

胸が痛んでしょうがない。
『それ』扱いされれば誰でもそうだと思うが苦しい。

私が次にはいた花はクローバー。
西洋の花言葉で『Think of me (私を思って)』
嫌な病気だ。
私の心情を映し出すかのように口から溢れる花は気味が悪いと侮蔑される代物だろう。