近くて遠いキミ【佐野万次郎】

45⌇プロポーズ？ ページ47

「………A。オレ、プレゼント用意するの忘れちゃったんだけど…」

『そんなのいらないよ？』

「でも…今いいプレゼント思いついた」

『ん？なにくれるの？』

「名字！」

『………ん？』

「だから、オレのみょうじ(・・・・)！」

『ふふっ、なにそれ、もしかしてプロポーズ？』

「…いらないなら返せ、他の奴にやる！」

『…！それはやだ！…マイキーの名字、ください…』

「ふっ、だろ？…じゃあA今日からオレのヨメな！」

『もう…離れたりしないでね？』

「うん。ぜってぇ離さねぇ、約束する！」


首に腕を回してくるAを抱き止め、背中に手を回す。


「A…生まれてきてくれて、オレの隣にいてくれて、ありがとう」

『私こそありがとう、マイキー』




「グスン…グス…ヒック…」

いい雰囲気で、ちゅーの一つでもしてやろうかと思っていると、後ろから聞こえてくる泣き声。
Aと目を合わせて2人でおそるおそる門の外を覗き込むと、そこにいたのは、涙でぐちゃぐちゃになったタケミっち。

『え…タケミっち！？』

「タケミっち…何盗み聞きしてんだ」

「よがっだぁぁぁ！！！」

「あ？なんだよ？」

「よがっだ…本当によがっだ…泣」

『ふふ、なんでタケミっちがそんなに泣いてるの？』

「だっで…オレ…嬉しくて…ッ！」

「……タケミっちのおかげだ。あの時背中を押してくれてありがとな」

「そんな…！」

『タケミっち泣きすぎ〜！』

「ッ…マイキーくん…！Aちゃん…！
辛いこともあったけど、きっといつか笑って話せる時が来ます！2人なら大丈夫です！！支え合えば、どんなことでも乗り越えていけます！幸せになってください！！」

「なに急に大人びたこと言ってんだよ？」

「オレ…この世界で2人に…みんなに出会えて、本当によかったです！きっと未来は輝いてるはずです！」

「…変な奴」

『私もタケミっちに会えてよかったよ。たくさん助けてもらったよね、ありがとう』

「Aちゃん…！！」

「オイ、タケミっち、Aに鼻水つけんな」

「へへっ、すみません！」



よし、これできっと未来は変わってる！
ミッションコンプリートだ、ナオト！！

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