近くて遠いキミ【佐野万次郎】

29⌇秋といえば？ ページ31

約1年前のある日の集会終わり。
「腹減っちゃった」というマイキーの一言でご飯を食べて帰ることに。

「A食いたいもんあるか？」

『ラーメン』

「バカヤロウ！秋といえば月見バーガー一択だろ！」

「いいなソレ」

『…』

せっかくケンちゃんが食べたいもの聞いてくれたのに、圭ちゃんの一言でマックに決まってしまった。「ラーメンはまた今度な」とケンちゃんが頭撫でてくれたから、今日はマックで許す！

「みんな月見でいいか？」

『私チーズバーガー』

「帰ってからルナとマナとメシ食うからコーラだけにしとくわ」

「オレ、ナゲットも食いたい」

「ダブルチーズバーガー追加で」

各々好きなものを頼んで、席に着く。
両隣はマイキーと圭ちゃん、目の前にタカちゃんとケンちゃん。

「やっぱ秋はコレだよなァ！」

『私月見食べたことない』

「…嘘だろ？！人生の半分以上損してんぞ？！！」

大袈裟に驚く圭ちゃんをよそに、チーズバーガーのピクルスを抜いてマイキーの月見バーガーの上に乗せる私と、それをパクッと食べるマイキー。そしてそんな私たちを見て固まる3人。

「「…」」

「ん？なに？」

「いや…何してんの？」

「Aピクルス嫌いだからいつもオレが食ってる」

「ピクルス抜きにしろよ」

『損した気分になるじゃん』

「食べねぇんだからいいだろうが」

『マイキーが食べるもん。それより、圭ちゃん月見バーガー一口ちょーだい』

「やだよ、オマエの一口デケェんだもん。また次来た時頼め」と、残っていた月見バーガーを一口で頬張る圭ちゃん。

『意地悪！マイキー…「オレ食い終わっちゃった」

『…』

「…ほら、A食え」

『さすがケンちゃん…！私のチーズバーガーも一口いる？』

「ダブルチーズバーガー食ったオレにそれ聞く？」

「…なんかオマエらが食ってるの見てたら腹減ってきたわ」

『ポテト食べる？』

「食う」と答えたタカちゃんに向かってポテトを咥え、ふざけて『ん』と差し出すと、真顔で反対側をはむっとかじるタカちゃん。あ、本当に食べたこの人…

「「…」」

「こんだけじゃ足りねーから、こっちももらうぞ」

「…オマエそんなのどこで覚えてくんの？」

タカちゃんを見て固まるマイキーと圭ちゃん、そんな2人に気付かず私のポテトを飄々と食べるタカちゃん、呆れた顔で質問してくるケンちゃん。

『男性をキュンってさせる方法昨日テレビで見た。キュンってした？』

「…全然」

『テレビ嘘じゃん…』

「アホか…」

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