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ヨモツヘグイ #2 ページ29

けど、それも束の間。

ぱっと明るくなったと思ったら、

「...え...？」

彼の家にいました。

「...いる...の...？」

彼は死んでしまったから
いるわけがないのに。

返ってくることの無い返事。

ut「A、久しぶり」

「！...な、なんで...」

彼女は目を見開き、
彼は微笑んだ。

「大先生、あの時...」
ut「もちろん死んどるよ？｣
「じゃあ、ここって...」
ut「多分、Aは生と死の間をさまよってるんやろなぁ...｣
「！じゃあ、」
ut「俺はAにはまだ生きてて欲しいな。...きっと、俺よりもいい人が見つかると思うで？｣
「...いるわけないじゃん...大先生が、大先生が1番だから...！」

ut「そっか...ありがとぉな」
「私は、私はどうしたら、！」

ut「...なぁ、ヨモツヘグイって知っとる？」
「...？」
ut「死者の世界の食べ物を食べると、例え生きていても、あっちに戻れなくなんねん｣

そういうと、どこからか、

ut「これ、A好きやろ？｣

私の好きなケーキを出してきた。

ut「これを食べなければ、元の世界に帰れる。けど、食べたら、ずっとここにおることになる。...どうする？｣

もう、答えは決まっていた。

「...いただきます」

1口。

「っ...」

突然、立ちくらみがした。

だんだん意識が薄れていく。

あぁ、死ぬんだなと心の中で悟った。