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夜になると ページ10

「ヤダね。このガキは使えそうだからな」



と言いつつ、私を差し出すクロウリー。


「クロウリーさん、あなたは只のカラスだったでしょう。はやくエサを探しに行きなさい」


師匠がそう言うとクロウリーは「カア」とひと鳴きして飛び立っていった。どうやらクロウリーは偽名ではなかったようだ。あのカラスは偽名を使うほど賢くもなかったようだ。きっとクロウリーはこれから先カラスとして生きていくのだろう。
師匠の魔力は強力だななんて感心していたが、「ほら、用事も済んだんだからさっさと帰るわよ」と叱られてしまった。


でも私は昨日の店に行かなければならない。


「師匠、私まだ行くところがあるんです」


「こんな時間にどこへ行くっていうのよ?もう夜よ。それに外も暗いし危ないわ」


「昨日行ったお店が開いていれば、そこに行きたいです」


師匠は少し考える素振りをした。


「……
夜になると魔力が強まるのよ。昼間とは違う姿を見せるから、あなたの欲しいものは見つけにくい。明日行けばいいわ」


「明日じゃ遅いかもしれない」


私はそう言って引き下がらなかったが、師匠はやれやれといった表情をしていた。


「もう閉まっているわ」


師匠はそう言うが、確認しないと分からない。私は師匠のいう事も聞かず走りだした。


裏路地に入ると急に辺りが暗くなり、街灯が点々と設置されているだけだった。
人気もなく静かで不気味だ。


しばらく走っていると、前方に明かりが見えた。
私はその光に向かって走った。
そこは古びた小屋で、看板も出ておらず誰もいないように見えた。
そっと扉を開けて中に入ってみた。

古びた小屋→←クロウリー



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作者名:キシリトール | 作成日時:2021年11月16日 15時

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