お兄ちゃん。《Ryohei.A》 (ページ1)

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亮平side

『Aー？そろそろ起きないと遅刻するよ？』

「わかってるよー…」

『ほんとに朝弱いんだからー。俺、先に出るからね。遅刻しないでよ？』

「はいはーい…」

ありゃだめだな…朝ご飯食べずにダッシュで登校するパターンだ

ピンポーン

あ、きたきた

「阿部ちゃーん？おっはよー」

『ん、おはよ』

長年の親友ふっかと、今日も気持ちよくチャリをとばす

「なー今日小テストって知ってた？」

『うん知ってた。俺もう対策済み！』

「おーいー知ってたなら教えろよっ！」

今年で高2になる俺らは運良く同じクラスで

俺の幼なじみ、佐久間と一緒に3人で行動している

「なぁ、今日妹は？」

『寝坊。今頃あわてて準備してるでしょ』

「お、いつもは甘々なのに今日はなんか冷たいな？」

『いつまでも甘やかしてちゃだめかなって。Aももう高校生なんだから』

「そうだよなー。あんな小っちゃかったのに、もう俺らの可愛い後輩ちゃんだもんなー」

去年、Aが俺と同じ高校を受験したいと言ってきた時はびっくりした

特に止める理由もなかったし、むしろAと同じ高校に通えるかもしれない未来にわくわくして

いいんじゃない？といった半年後

Aは無事うちの高校に合格

合格発表、一緒に見にいったっけ

嬉しくて泣きだしたAをみて、俺も少し涙がでた

俺らは誰からみても仲良し兄妹

隠し事も喧嘩もない

最高の兄妹だと思ってる

でも

ただ一つ、俺にはそんなAに隠し続けていることがある

俺達兄妹は、血が繋がっていない