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「じゃあ、そろそろ帰るか」
「え、いいんですか？もっと見ていかなくて」
「うん、俺らもやらなくちゃいけないことはいくらでもあるしな」
「それにお前も疲れただろ？」
「今日はゆっくり休みな」
俺を優しい目で見つめそう言うヒョンソギヒョン。
忙しく動いた気持ちと頭。
確かに、疲れたかも、
ヒョンの言葉を聞くとそんな気がしてくる。
「じゃあ、Aヌナに挨拶してから帰りましょか」
「だな、多分まだ楽屋だから行くか」
「はい」
Aが待機している楽屋に向かう。
そこは相変わらず忙しなくて、
色んな人が動き回っている。
Aはどこだろうと辺りを見渡せば
すぐに見つかる。
たくさんの人がいてもやっぱりそこだけ光ってるみたいに見える不思議。
でも、隣の話している相手を見て
また俺の心臓はどきっと跳ねた。
「お、メンバーが来たみたいだよ」
「え？あ、オッパ、ハルト！」
「じゃあ、俺はここで」
「はい、わざわざありがとうございました社長」
「だから社長じゃないっていってるのに笑」
Aと話していたのはヤンサ元社長。
Aに向けて優しく微笑むと
出口のあるこちらへ向かってくる。
通り過ぎ際、俺の肩を叩く。
その瞬間、
何を言われるかと、身構えた。
あまり褒めることがない人だから。
「ハルト、良くやった」
「おつかれ様」
「！、ありがとうございます！」
その言葉を聞いて心底安心した。
それと同時に、
また、練習生に戻ったかのような気持ちになった。
あぁ、良かった、俺は上手くやれてた。
ヤンサ元社長が出てから、小さく息を吐き出した。
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作者名：もなか | 作成日時：2022年10月4日 12時
