ツンデレなペットを飼うことになりまして。3 (ページ5)

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直弥くんに会ったその日

ちょっと前まで晴れた気分でいたのに何だか一気に
脱力感に陥ってしまい、結局そのまま帰る事にした。

帰りの電車はいつもより少しだけ空いてるような気がしたが
何でか入口付近にもたれかかって最寄りに着くまでの
外の景色をただただボーッと眺めていた

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何も知らない…

まさに図星以外の言葉が見つからない

確かに私は、タクヤのことを何も知らない

直弥くんに言われるまで自分がタクヤの苗字を
聞いてないことすら気づかなかった。

最初に同居する時、確かに私達の中で幾つかルールは決めた

〝お互い必要以上に干渉しないこと〟

これがそのうちの一つにあったのなら

私とタクヤがお互いの事を知らないのは寧ろ必然的だろう

けれど、いくらなんでも同居人の苗字も知らずに

よく数ヶ月も一緒に平気で暮らしていたというのは
如何なものだろう…

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しかも干渉しないとは言ったわりには

自分の恋愛問題はちゃっかり色々タクヤに結構さらけ出して…

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……＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

｢……ねぇ、聞いてる？｣

『 …へ？』

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思わず腑抜けた声で返事をしてしまって

それを目の前にいる相手に軽く笑われた

正直電車で帰る辺りからずっと考え事をしてて
無心で意識が飛んでたから

気づいたら家に帰っていて

気づいたら予想より案外早く接待を切り上げてきた稜雅が

今私の家に来て飲み直しているというのも実感がない

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｢聞いてなかったろ？(笑)｣

『あ…ごめん、』

｢疲れてる？元気ないけど｣

『ううん、そんなことないよ？で、なんだっけ？』

｢いや、だから月曜から俺出張だから｣

『え、そうなの？』

｢大阪に一週間。
本当は今日ラウンジで言おうと思ってたんだけど｣

『そっかぁ…稜雅いないのか』

｢…寂しい？｣

『別に？全然？むしろラッキー？』

｢え、どうゆう意味？泣くよ？｣

『ははっ(笑)
まぁ、ちょっと羽伸ばせるからって浮気なんてしない事ね？』

｢ばっ、しねぇよ！…絶対｣

『じょーだん(笑)信じてますから』

｢…そっちも、｣

『ん？』

｢俺がいない間に、
あんま他の男に目移りすんなよ…渡辺とか渡辺とか｣

『まだ言ってんの？ありえないから(笑)』

｢どーだか…まぁ信用してますけど？｣

『それはどーも(笑)』

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本当は内心寂しいと思ってしまった