涙を拭って君は言った。【探偵チームKZ事件ノート】

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頭の中に響く声。


もう一人の自分の様な、そんな声。





「…ごめん、今はまだ、落ち着いて皆と話せない。」


私がそう言うと、若武が下を向いたまま頷く。







「……また、今度。」



私はそう言うと、逃げる様に病院を後にした。




自転車置き場に行き、鍵を解除しようと手をかける。


けど、震えて上手く解除することができなかった。


次第に抑えていた涙が溢れだす。




どうして、翼が。




どうせなら、私がいなくなればよかったのに。






どうして、何も罪の無い翼が亡くならなければいけないの。



幾度も同じ質問を脳内で繰り返しても、正解は見つからない。





翼はこの世にいない。


それなら、私はどうすればいいの。


やっとの事で鍵を解除し、自転車に乗る。


けれど漕ぐ気になれず、私は自転車を押して歩く事にした。




フラフラとしながら足を動かす。

近くにいた小さな男の子が不安気にこちらを見ていたので、軽く微笑んだ。




いとも簡単にできた作り笑顔。


自分で自分が、怖くなった。







車道の方を見ながら、ため息を吐く。


いっその事、誰か私を轢いてくれればいいのに。





だって、私に生きる価値なんてないでしょう。




……私の所為で大切な仲間が死んで、皆はどう思うだろう。



やっぱり恨むかな、嫌うかな。




だってそもそも、あの時私が注意してたら









翼は死なずにすんだのだから。

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