先生 ページ3
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「…ギャァァァァ!!」
という断末魔が聞こえ数十秒、お妙ちゃんは返り血的なものを浴びながら帰ってきた。
「ごめんなさいね、ゴリラが迷い込んでたみたいで」
「……あ、ウウン、大丈夫ッス」
神楽ちゃんと新八くんの方をちら、と見ると、日常茶飯事だ、というように何もなかった。
「お、お妙さん…貴方の猛烈な愛が僕の体を痛めつけますよッ」
奥の部屋から這いつくばって出てきた男の人。その顔はとても顔見知りで、私は顔を見るや否や叫んでしまった。
「お、お兄ちゃん…?!?!」
「…え、Aちゃん!?!?」
近藤勲、小さい頃によく遊んで貰ったお兄ちゃんみたいな存在だ。7個上だったっけ?まあそれくらい。え、なに。ストーカーに成り下がってんの?
「ちょ、いまいち状況が掴めないんですが」
新八くんがボソッと呟いた。その声に反応した近藤さんが、私の肩を抱き「小さい頃よく遊んでたんだ!」と豪快に笑った。
「あら、Aちゃんこんなゴリラに付き合ってやってたのねぇ、可哀想に」
「お妙さん!どういうことですか!」
出会いは簡単らしく、お兄ちゃんが進路に迷ってさまよっていたところを助けてもらったんだとか。そこからストーカー…というかまあ本人公認のストーカーになってるけど。
「…こんな人だったっけ?」
「ゴリラ失望されてるアル。ざまあないネ」
「うっ、チャイナ娘…そんな痛いところを付かなくても…」
お兄ちゃん達と別れ、私は1人で家に帰っていた。いつの間にかお話に夢中になっていて、外はもう真っ暗。少し怖かった。
「…早く帰ろう」
生憎新八くんの家は私の家から遠く、足早にバス停へ向かった。
「姉ちゃんや、俺らと遊んでかない?」
「うわっ、女子高生かよ。興奮する〜」
「ハハッ、怖がっちまってんじゃねェか!」
腕を掴まれ、ガラの悪い男3人に捕まってしまった。私は怖くて震えることしか出来なかった。
「や、やめてください、…お願いします」
「…なァ、男はな?やめてって言われると余計興奮する生き物なんだよ」
そんな理不尽な理由を説き、私は無理矢理路地裏へ連れて行かれた。
「…やめてっ!!いや!!助けて!!」
「だーれも来ねぇよ。恨むならこんな真夜中に外でてるアンタを恨みな」
そう言って、服に手をかけられた。力づくで抵抗しても他2人の男に押さえ付けられる。
私は涙が溢れた。
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作者名:ミーこ | 作成日時:2021年6月24日 15時