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依存 ページ3

「A…傷増えてるアル…ごめん、なんにも出来なくて。銀ちゃんを元に戻してあげられなくて」


神楽ちゃんが私と銀時の部屋に入ってきて、私に謝罪をした。「そんな事ないよ。私は神楽ちゃんと新八くんにいてもらうだけですごく幸せなの」と、語りかけて神楽ちゃんの白いモチモチな頬を触り、神楽ちゃんの大きな目からこぼれ落ちる涙を拭う。


「新八くんにも伝えといて、私は貴方たちがいるだけで大丈夫だ、って」


私はなるべく心配させないように微笑む。彼の望むことが分からない。私は何をすればこの地獄から逃れられるのだろうか。



「神楽ちゃん、銀さんが早くしろだって」



「ん…わかったアル。じゃあネ、行ってくるアル」



神楽ちゃんは私に手を振ると、パタパタと足音を立てて出ていった。私は力が抜けたようにへた、と座り込む。もう疲れた。もう嫌だ。1人になると泣けない分泣く。彼は束縛が酷いところはあると自分で言っていたけど、殴るとかは絶対しないって言ったはず。

涙が傷口にしみて痛くなる。涙の塩分が私の体を痛めつける。心と体の痛さから早く解放されたかった。きっと、沖田くんは私の状態に気づいている。助けて欲しい。もうやめて欲しい。私をどこかに逃がして欲しい。


「…買い物、行かなくちゃ」


殴られて疲れきった重い肉体を無理矢理動かす。きっとこの皺寄せで明日は動けないかもしれない。だけど、彼がきっと怒る。



「あら、万事屋の奥さん!野菜安く入ってるよ!買っていかないかい?」


顔は広くて、色んな人から知られている。私は無理矢理口角を引き上げた。「えぇ、本当ですか、!今日お鍋する予定なんです」と、言った。



「…真宮」



私の名前を呼ぶ声がして振り返る。そこには鬼の副長と呼ばれる土方さんが心配そうな顔で立っていた。「大丈夫か」「…」「なんだ?無視か?」「…」「おい、うんとも言えねぇのか」土方さんからの質問に無視をする。やめて、私に話しかけないでよ。
銀時が後ろでじっと見ているから言いたくても言えない。



「真宮!これは事情聴取になるな。着いてこい」



土方さんは銀時の気配を感じ取った。2人きりで安心して話せる場所に連れてきてくれた。「色々聞きたいことはあるが、まずは盗聴器がないか調べさせてもらう。山崎ィ!」と言って山崎さんを呼んだ。



結果、盗聴器やGPSが私の持ち物全てにあった。



「俺はお前もアイツも救いてェ。協力してくれないか」



私はこくりと頷いた。



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作者名:ミーこ | 作成日時:2021年3月21日 21時

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