【鬼滅の刃】時を超える。【不死川実弥】 (ページ8)

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其ノ漆ページ8

いつの間にか眠っていてしまった。布団は起きたら綺麗に上に被さっていた。アオイか誰かがかけてくれたのだろう。
顔に当たる陽の光が眩しくて布団を頭まですっぽりと被りたくなってしまう。
いけない！と思わず飛び起き時計を探すも時計はす見当たらなかった。

｢あ……｣

と、力ない声を零しそうだと脳が切り替わる、

｢おはようございます｣

足元でこちらを除き爽やかに笑うこの女は

｢おはようございます。しのぶさん｣

蟲柱、胡蝶しのぶだ。
屈託なく笑う彼女はいつも同じような笑顔だが、どことなく悲しくピリピリとした気が伝わる。
どことなく怒っているような……。

｢顔を洗い朝ごはんを食べてください。アオイが準備していますよ｣

｢わかりました｣

言われたとおりにし屋敷を出る。最初は音柱の宇髄の訓練だ。3人の嫁がいる屋敷へと向かいまた、派手に走らされる。それを半日以上続け、後に胡蝶がいる屋敷へと戻り呼吸を教わる。これまたきつい。

そんな訓練を続け約1ヶ月がたつ。順調に体力も付き、全集中の呼吸もできるようになった。皆さん絶賛してくれた。初めて死ぬかと思ったけどね、良かったですほんとに。
それから、水柱の兄さんから剣術を教わることになった。

｢よ、よろしくお願いします……えー、と、冨岡さん｣

｢……あぁ｣

いやどういう感情なのそれ。

基礎の形から、何から何まで教わり、それでまた1ヶ月が経つ。これがまた上達しないんですよ。
腕の筋肉も必要だから宇髄さんの訓練も欠かせないし、それでもってしのぶさんから教わった呼吸を切らすなと言われるんだもの。
そんな、チートなことできるかってんだ。

それに、見た目に反し割と大きい声を突然出してくるから本当にびっくりする。あー、今頃炭治郎くんはあの人の元で訓練してるんだろうなぁ…。
さらにまた1ヶ月がたち、今度はこのどデカい岩を斬れと言われた。

｢……死にそう｣

なんだこんなの切れるわけないじゃないか。すごいよ炭治郎、錆兎達がいたから出来たにしろすごいよ。
そして約1週間でソレを叩き切った。

｢……今の呼吸法を忘れるな｣

｢あっ……ありがとうござ……ま…た……｣

そこから記憶が無い。どうやら蝶屋敷で2週間ほど眠り続けてたらしい。
薄らと意識を取り戻した中、

｢2ヶ月とそこらでここまで吸収できる貴方は只者じゃないですよ｣

と、耳元でしのぶが囁いているのが聞こえた。