其ノ肆 ページ5
「?……なんで私の名前を知っているんですか?」
アオイが不思議そうに尋ねる。
「あっ……と……」
「まぁ、大丈夫です。とりあえず何か困ったら言ってください!絶ッ対に無理はしないでくださいね」
ビシッと人差し指を突き立てせかせかと歩き去っていってしまう。
可愛い子だなぁ……としみじみ思う。実際に見てみるとよく分かる。さっきの柱の人たちも、漫画で見る何倍よりも風格があり怖気づいてしまいそうだった。
流石柱になり鬼を倒しているだけある。強い気がムンムンと伝わってきた。
「……Aさん」
フワッと現れるしのぶ。
ビクッと肩を揺らし振り向く。
「ごめんなさい集中してらしたので、それで隊服がもう出来上がったみたいですよ」
ニコニコと屈託なく笑い話すしのぶ。
説明された通りの場所、と言っても裏に回るだけなんだが……。
庭に行くとぐふぐふと笑い隊服を抱える男の人の姿が見えた。
「えーと……前田…さんですか?」
恐る恐る訪ねるとガバッと起き上がり隊服を見せつけてくる。
「えぇ前田ですとも!どうぞこれを!もう今回は出来が素晴らしくて!!」
笑いながら隊服を渡される。
笑いながらと言うよりニヤニヤに近しいが…。
「……」
無言で手に取りシャツの上から着る。
「……」
思っていたよりも……前が凄く空いておる。
甘露寺と同じように胸元だけガバッと空いていて、それだけならいいが、縦の丈が異様に短い。自分のクビレがちょうど見えるくらい、所謂短ランみたいな感じだ。
「……」
どうしようか、これを燃やそうと思ったが、作ってくれた方には申し訳ない。
「あ、包帯とかって……ありますか?」
・
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隊服を着てしのぶのところに向かうA。
「あら……その格好は……」
「いやぁ、あまりにも露出しているものですからサラシを巻いて見ました」
少し恥ずかしくなって苦笑いしてしまう。
「Aさんは優しいんですね…」
「そうですか??」
「つかぬ事をお聞きしますが、歳と血液型はなんでしょう」
「歳と血液型ですか?18歳のB型です」
「あら、歳同じなんですか」
そうすると嬉しそうに笑う胡蝶。
「仲良くしましょう」
「もちろんです!」
手を握り握手を交わす。
「それで突然なのですが今日から訓練をしたいということで皆さんがココに赴いてくれました」
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時